今回の大雨による被害は県内の広範囲に及んでいます。
木村知事は19日、道路の寸断や多くの農業被害が確認されている宇城市と上益城郡内の被災箇所を視察しました。
19日、宇城市役所・小川支所を訪れた木村知事は、国土交通省のヘリが撮影した映像を見ながら、市内山間部の被害状況について説明を受けました。
映像からは、至る所で山腹崩壊が確認できるほか、崩落した土砂が住宅に迫る被害が確認できます。
こちらは、宇城市豊野町です。
【被災農家】
「ベビーリーフが植えてあって、あと1週間で収穫の予定だった」
収穫を目前に控えたベビーリーフの農業ハウスには、氾濫した川から土砂が入り手つかずの状態です。
さらに、水田へと続く農作業用の道路はアスファルトがはがれ、通行できなくなっていました。
【被災農家】
「稲刈りは離れた場所は機械でして、あとは手刈りする。今コメは高いから」
間近に迫るコメの収穫は水田に流れ込んだ土砂の影響で、どこまで機械で刈り取れるのか不安が募ります。
続いて山都町へ。
町長の案内で向かったのは山間部の集落をつなぐ県道219号横野矢部線。
路面は土砂で見えていません。
しばらく進むと、二車線をふさいだ土砂崩れに行く手を阻まれます。
大雨直後は、町の職員が徒歩で孤立集落の安否確認を行ったといいます。
【坂本靖也町長】
「県道が一日も早く復旧することで集落の住民の生活が元に戻る。農地の復旧にも
一緒に取り組んでもらいたい」
【木村知事】
「これだけの崖なので、少しの雨で二次被害が起きかねない。専門家を交えて工法を検討したい。時間軸を見据えながら、農家が一日も早く農業に集中できるように環境を整えていきたい」
【木村知事】
「私は体が大きいけど、それでもここ(首)まで来たんだ」
一方、木村知事は20日、玉名市の被災現場を視察。
氾濫した境川周辺の被災家屋などを見て回り、住民などから被害状況を聞きました。
氾濫を繰り返している境川について木村知事は、「改修も含めてあらゆる方法を検討したい」と述べました。
木村知事は今日までに被災した11の市と町を視察、「各地域からの要望などをまとめ、近く、国に支援を求めたい」と述べました。
【木村知事】
「要望事項をまとめる段階に来ている。そう遠くないうち、1週間2週間のうちに国に要望したい」