過去にアームレスリングの全日本選手権で2階級を制覇した山形市の男性が4日、大けがからの復帰戦に挑む。腕を鍛え直して目指すのは、3階級制覇だ。
70kg級と75kg級の2階級を制覇
2021年の全日本アームレスリング選手権大会で、山形市のアームレスラー・植松政憲さんは、次々と相手をねじ伏せていた。

これまで70kg級と75kg級の2階級を制覇している植松さん。さらに階級を80kg級に上げて、3階級制覇をかけて臨んだ決勝戦だったが…。

酷使してきた左腕が限界を超え、上腕二頭筋の腱(けん)を断裂する大けがをし敗れた。

植松政憲さん 2021年11月当時のコメント:
復活してもう一回戦うのは自分の中で決まっている。心の火を消すタイミングではない

けがから1年半…。山形市内のジムでは、植松さんが代表を務めるアームレスリングチーム「SAFARI」のメンバーたちが、自慢の腕を競い合っていた。

その中心にいたのは、けがから完全復活し圧倒的な強さを見せる植松さんだった。

植松政憲さん:
手術してから2年弱、やっと勝負できるという感覚。自分の中で「まだやれる」という根拠のない自信があって、復活することしか考えていなかった

一時は、選手生命が危ぶまれるほどの大けが。自慢の腕周りも4cm以上細くなり、痛みが続く後遺症にも悩まされた。

それでも2022年6月から本格的にトレーニングを再開し、これまでよりさらに太く鍛え直した。4日に栃木県で開かれる全日本選手権は、苦しんだけがからの復帰戦となる。

植松政憲さん:
各階級のチャンピオンも90kg級に来るだろうし、激戦区になることは間違いない。ここまで復活して戦える喜びと、どこまでできるのか楽しみな部分もある

植松さんはこの大会で、よりパワーを求められる90kg級に参戦。植松さん同様、複数階級の制覇をもくろむチャンピオンや、さらに上の無差別級で実績を挙げたつわものたちが相手だ。3階級制覇への思いはこの3年間、揺らぐことはなかった。

植松政憲さん:
目指すのはもちろん優勝です。過去に70kg級と75kg級で日本一になっているので、今回90kg級ということで、そこで3階級制覇を成し遂げて、山形に金メダルを持ってくる
大会には、けがとの戦いを見てきたチームのメンバーたちも一緒に参戦する。植松さんは、仲間たちの前で大きな仕事を成し遂げて見せると意気込んでいた。
(追記)
▼A-1レフト-90kg級で優勝。
▼3階級制覇と、選手生命が危ぶまれるけがからの復活が認められ、大会MVPにも選ばれた。
▼植松さんコメント
「苦しい日々もすべてはこの喜びのための試練だったと思う。応援してくれたすべての人に感謝したい。4階級制覇も視野にあるが、まずは様子を見たい。ブレずにやっていきます」
(さくらんぼテレビ)