福島市内では、2023年に入り7件の「当たり屋」被害が発生。犯行はすべて同一人物によるものとみられていて、年齢は40~50歳・身長は175センチほど、やせ型で作業服を着ていた。お年寄りや女性など言い返してこないおとなしそうな人や、運転に自信がなさそうな人を狙っているようだ。トラブル回避法を警察に聞いた。

現場は歩道がない狭い道路
福島県福島市にある住宅地の道路。通学路のため、ほとんどの車が速度を落として通行している。歩道がなく、歩行者は路側帯の中を歩くことになる。その分、車と歩行者との距離が近くなる。ここでは、ドライバーが「事故にあった」と男に詰め寄られ、湿布代などを要求される被害が相次いだ。いわゆる「当たり屋」だ。

「当たり屋」とは、通行中の車両にわざとぶつかり、あたかも事故にあったように装い、治療費や賠償金等を要求する人物や行為をいう。

福島市では「当たり屋」による被害が、2023年に入り7件も発生。犯行現場の共通点は道幅が狭く、歩道と車道の区分がない道路。さらに犯人は、死角が生まれやすい助手席側から車に近づき「ドン」と音を立ててから「ぶつかりましたよね」と声をかけてくるという。

福島警察署によると、被害にあった7件のうち5件は実際に金銭を要求されて支払ってしまったという。警察では、発生現場で巡回などを強化するとともに、情報提供を求め捜査を進めている。

当たり屋への対処法
「当たり屋」は状況により異なるが、詐欺や恐喝などの罪に当てはまる。被害に巻き込まれないためどうすればよいのか対処法を聞いた。
現在「当たり屋」事件の捜査を進めている福島警察署交通二課の菊地正弘課長がすすめるハード面の対策が、ドライブレコーダーの設置。抑止につながるとともに映像が証拠となる。

そして、何よりも大切なのが、その場で110番通報をすること。実際に7件のうち2件は、110番通報の話をした途端に犯人が「忙しい」などと言って立ち去ったという。

福島警察署交通第二課・菊地正弘課長は「人身交通事故になれば、行政処分、免許の点数であったり、罰金が頭をよぎるかと思う。そうした部分に付け込むのが、当たり屋の犯罪。まずは事故があった時には、届け出を行ってほしい」と呼びかける。

前提として交通事故を起こした時は、直ちに警察に報告する義務がある。(道交法違反交通事故不申告 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金)警察がなぜ事故が起きたかをしっかりと調べるので、必ず通報をしてトラブルに巻き込まれないようにすることが大切になる。

(福島テレビ)