ウクライナ出身でアメリカ在住の現代美術家イリヤ・カバコフさんが27日、死去した。イリヤさんと妻のエミリアさんの財団が明らかにした。89歳だった。
1933年、旧ソ連ウクライナ共和国ドニエプロペトロフスク州で生まれたイリヤ・カバコフさんは、絵本画家としてキャリアをスタートさせた。
旧ソ連体制の弾圧から逃れ「非公式芸術活動」の中心的存在でもあったイリヤさんは、1980年代以降、西側で作品展が相次いで開かれるようになり、ソ連当時の生活をユニークな視点で風刺、批評した作品で注目を集めた。

1988年からは妻となったエミリアさんとの共同制作を始め、2008年、高松宮殿下記念世界文化賞の彫刻部門を夫婦で受賞した。