G7(主要7カ国)広島サミットが被爆地広島で、きょう5月19日、開幕した。 こうした中、正午過ぎ、ウクライナのゼレンスキー大統領が来日しサミットへ参加すると複数の欧米メディアが報じた。核兵器のない世界を実現するために話し合われるサミット。世界各国が注目する今日一日を取材した。
各国首脳が船で向かう中、バイデン大統領は専用ヘリで
サミット開幕の朝を迎えた広島市。全国から集まった警察官が至る所で目を光らせる超厳戒態勢が敷かれた。
G7の首脳らがそろって平和への祈りを捧げたきょう、ウクライナのゼレンスキー大統領が広島を電撃訪問し、サミットに出席することが報じられた。
そして、午後5時半過ぎ、G7の首脳らは高速クルーザーに乗り込み、世界遺産の厳島神社がある宮島での夕食会へ。船上は、和やかな空気で笑みを浮かべながら談笑しているように見える。
一方、アメリカバイデン大統領は、一人、大統領専用ヘリ「マリーンワン」で向かった。
各国首脳が原爆慰霊碑へ 歴史的な瞬間
地元広島でののG7サミット開幕に向け、岸田首相は午前10時過ぎ、裕子夫人とともに平和公園へ。各国の首脳らを次々と出迎えた。
沿道では、各国首脳を一目見ようと多くの人が見物。学校が休みとなった子どもたちの姿も見られた。
そして、最後にアメリカのバイデン大統領夫妻が到着すると、首脳らは原爆資料館を視察。
正午ごろ、資料館の視察を終えた首脳らはそろって原爆慰霊碑へ。
宮司愛海キャスター：
各国の首脳たちの姿が見えました。 G7の首脳らが一堂に会して、この慰霊碑の前で献花を行うという、まさに歴史的なことが今、行われようとしています。
首脳らは「安らかに眠ってください 過ちは繰返しませぬから」との言葉が刻まれた慰霊碑に花を捧げ、黙とうした。
その後、一列に並び記念撮影。その背後には原爆ドームが見える。G7首脳が広島にそろい原爆の犠牲者達を追悼する歴史的な瞬間となった。
その後、首脳らは舞台をホテルに移し、サミットの象徴とも言える円卓で昼食をとりながら本格的な議論に臨んだ。
しかし、冒頭のあいさつでは…
「私の地元広島にお迎えにでき大変嬉しく思っています…あ、すみません」
緊張のせいなのか、岸田首相がマイクのスイッチをオフにしたまま話してしまう場面もあった。
ゼレンスキー大統領訪日にメディアセンターにも“衝撃”
こうした中で飛び込んできたのが、ウクライナのゼレンスキー大統領が日本を訪れ、21日の会議に出席するという、複数の欧米メディアによる報道。
広島市民は、「すごく驚きました。 次のステップにつながるような意義のあるものにできたらな」と期待を寄せた。
この一報を受け、国際メディアセンターにも衝撃が走った。
イタリアメディア記者：
現在詳細を確認しているが苦労している。来日すれば、大変パワフルな言葉が発せられることでしょう。
フランスメディア記者：
サプライズパーティーみたいなものですよね。核戦争の恐ろしさを伝えるんだったら、広島で開催するのがベストでしょう。
そして、先ほどウクライナに関する首脳声明がまとまり、ロシアへの制裁強化として輸出制限の対象を「侵略に重要なすべての品目」に拡大する方針を表明した。
「核なき世界の実現に向けて、首脳たちの具体的な一歩に注目」
宮司愛海キャスター：
核なき世界の実現を大きなテーマの一つに掲げるこのサミットで、ロシアによる核の脅しを受けるウクライナのゼレンスキー大統領が出席することで、どんな強力なメッセージが世界に発信されるのか注目されます。
榎並大二郎キャスター：
今日さまざま取材をする中で、どんなことを感じましたか？
宮司愛海キャスター：
各国の首脳が原爆資料館を訪れ、そしてそのまままっすぐにそろって歩いていき、あの原爆で亡くなった方々に向けて、慰霊碑に向けて、献花を行う姿、そして、その後広島市長の話に熱心に耳を傾けている姿を見て、これは今、歴史的な瞬間を目の当たりにしているんだなというふうに感じました。
ウクライナでの戦争も含めて各国の様々な問題に対して、指導者たちの力を結集して発揮してほしいと思うのと同時に、この広島で核なき世界の実現に向けて、どんな具体的な一歩を踏み出せるのかというところに注目しています。
（「イット！」6月19日放送）
