年齢や性別を問わず悩まされている人が多い病気に「腰痛」がある。痛みが3カ月以上続く場合は「慢性化」しているとされ、適切な診断と治療が求められる。
長引くと心の病にまで発展する腰痛の解消法を、専門医と理学療法士に聞いた。

生活に潜む“腰痛のリスク”

荷物を持ち上げたり、高い所からモノを取った時、不意に襲ってくるのが腰の痛み「腰痛」だ。

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椎間板ヘルニアや腰椎すべり症といった専門の治療が必要な重い症状でない場合、1~2週間で自然に回復することが多い。
ただ、痛めた後の過ごし方を間違えると慢性化するリスクがある。

福井市にある大森整形外科リウマチ科の副院長で、脊椎脊髄外科指導医の前澤靖久医師に話を聞いた。

大森整形外科リウマチ科・前澤靖久医師:
慢性的な腰痛とは、定義的には急性の痛みがだらだら続くのではなく、痛くて生活動作がしにくいとか、痛くなってから3カ月以上経過したものをいう

腰痛の原因は、大きく分けて4つある。

(1)椎間板性 (2)間関節性 (3)筋・筋膜性 (4)仙腸関節性

このうち今回は、日常生活の動作で起こりやすい(1)椎間板性と(2)椎間関節性の腰痛を詳しく聞いた。

「腰に良くない動作」に注意

まず、椎間板性腰痛。前かがみになることで、腰椎同士の間にあるクッション(椎間板)に負担がかかり、痛みが生じる。

モノを持ち上げる時に腰を曲げていたり、前かがみで座っていたり車を運転したりしている人は要注意。約60分間座ると腰痛が出る人は、前方要素(椎間板性)の腰痛となる。

一方の椎間関節性腰痛。こちらは体をそらした時などに、腰椎の関節に負担がかかることで痛みが生じる。体を反らす動作で痛みが生じ、スポーツではよくある。
日常生活動作では洗濯物を干すような伸ばす動作や、雪かきでかいた後に投げる動作が発症のリスクとなる。

腰痛が長引いている人は、これらの「腰に良くない動作」がクセになってしまっている可能性がある。そして、こうした症状を放置すると、心にも影響をきたす恐れがある。

大森整形外科リウマチ科・前澤靖久医師:
この疾患、病気がどうなるのだろうかとか不安感にさいなまれ、抑うつ気分が生じることも。仕事も辞めないといけないとか社会的ストレスを感じて、修飾されるような痛みが出る

簡単ストレッチ法をご紹介

それを防ぐためにも重要なのが、日常的な運動やストレッチだ。理学療法士の半田裕貴さんに、簡単にできるストレッチ法を伝授してもらった。

まずは「キャット & ドッグ」。よつんばいになって、背骨と股関節を一緒に動かす。

理学療法士・半田裕貴さん:
まず背中を丸めるように上に上げる

理学療法士・半田裕貴さん:
今度は下にそらすようにして下ろしていく

上げ下げ10回が1セット。3セットが目安となる。

特に前かがみになって痛みが出ることが多い人(椎間板性腰痛)は腰をそらす体操を。

理学療法士・半田裕貴さん:
寝た状態から手の力で腰をそらすような体操

理学療法士・半田裕貴さん:
このまま20秒伸ばして

理学療法士・半田裕貴さん:
20秒したら、ゆっくり体を下ろしていく

腰をそらすストレッチは3回が目安だという。

続いて、体をそらして痛みが出ることが多い人(椎間関節性腰痛)は背中を丸める体操を。

理学療法士・半田裕貴さん:
よつんばいから、ゆっくり後ろに背中を丸くするように伸ばしていく

理学療法士・半田裕貴さん:
こちらも20秒して

理学療法士・半田裕貴さん:
ゆっくり戻る

この背中を丸める体操も3回行う。

腰痛の改善には、運動が重要というデータもある。長引く場合は、まずは病院で診察を受けてその原因を明らかにすることが第一。日常生活の改善、そして適度な運動を心掛けることが重要となる。

(福井テレビ)

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