石川県野々市市の中学校に通っていた女子生徒がいじめを苦に自殺し、第三者委員会が再発防止を求めた報告からわずか7カ月。同じ中学校で再び、いじめによる重大事態が発生したと言う。野々市市の教育委員会は、再び第三者委員会を設置して調査を行う方針だ。
同じ中学校でまた…重大事態発生
「二度と同様の事態が起きないよう、教育委員会として力を尽くして参りたい」

2023年2月、会見でこのように述べていた、石川県野々市市教育委員会の大久保教育長。
あれから7カ月…

野々市市教育委員会は2023年4月以降に市内の中学校でいじめが発生し、生徒の生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いがある重大事態が発生したとして、7日、第三者委員会を設置すると発表した。

7カ月前に再発防止を求めていた
関係者などによると、いじめが発生したのは2021年2月に、いじめを苦に女子生徒が自殺した中学校と同じ中学。

この中学校をめぐっては…
野々市市いじめ問題調査委員会 田中和樹委員長:
尊い命が失われたことについて、改めて重大に受け止めていただいた上で、一言一句もらさずに丁寧にお読みいただきたい。

この中学では2年前の2月、当時1年生だった女子生徒がいじめを苦に自殺。第三者委員会は2023年2月いじめがあったことを認定し教育委員会に再発防止を求めていたのだ。

この時、亡くなった生徒の父親は…

「もちろん加害生徒のことは、当然憎い気持ちはあるんですけど、学校側はなんでこんなに動いてくれなかったのかなという思いがすごく強いです」
こう話した。

父親は当時、第三者委員会が認定したいじめのうち学校側が把握していたいじめが1件だけだったことに、「30もあるいじめ全部を見落とすなんて、ありえない話じゃないですか。なぜ教師がそのとき見て見ぬふりをしたのか、それも単独ではなく複数の教師が示し合わせてそうしたのか。もっともっと追及し、なぜ隠ぺいを行ったのか調査をしていただきたい」と話し、愕然としていた。

今回、再び同じ中学校で発生したいじめ重大事態。関係者によると被害者は女子生徒で、同級生4人と何らかのトラブルとなり、2学期から別の中学校に移ったと言うことだ。
学校側は、前回の重大事態を含めこれまで一度も会見などを開いたことはない。

憤る父親「教訓が生かされていない」
娘を亡くした父親は、今回、同じ中学で再び発生したいじめについて「第三者委員会の報告書を読んだという先生を聞いたことがない。前回の教訓が生かされているとは思えない」と、コメントしている。
(石川テレビ)