鹿児島・大隅半島で珍しい食材が養殖されている。一般的には沖縄名物のイメージがあるその食材は、桜島を望む垂水市の錦江湾沿いでつくられていた。

海水温が高い時期なら…重ねた試行錯誤

地元で水産会社を営む森正彦さんが「プチプチ感が最高なんです」と語る食材。

この記事の画像(10枚)

その正体は「グリーンキャビア」とも呼ばれる「海ぶどう」だ。ミネラルが豊富な食品としても注目されている。

森水産・森正彦社長:
始めようかなと思ったのは2003年。道の駅で垂水の特産品として作ってみようかなと思ったのが、最初のきっかけ

森さんの本業は、ヒラメの養殖だ。20年ほど前、結婚式で訪れた沖縄で生まれて初めて海ぶどうを食べ、プチプチとした食感とおいしさに衝撃を受けた。そして「絶対に鹿児島で養殖したい!」と、すぐに行動に移したという。

養殖方法を教えてもらうために訪ねた沖縄の生産者からは「鹿児島の本土は、海水温が低いから無理」と言われたが「水温が高い時期なら鹿児島でもできるはず」と、諦めることなく独学で研究を続けた。

特に、成長に大きく関わる日光の当て方は、いろいろな遮光シートを使い、何通りも試した。手探り状態でチャレンジすること約1年。森さんはついに養殖に成功した。

森水産・森正彦社長:
やりとげた時はうれしいですよ。挑戦するのが好きですから

海ぶどうは地元でも大好評

こうして、2005年から本格的に販売を始めた森さんの海ぶどうは、市内2カ所の道の駅で4月から11月まで購入できる人気商品として、地元にすっかり定着している。

ポン酢をかけて食べたり、サラダへのトッピングや、海ぶどう丼もおすすめだ。

さらに地元の国道沿いには自動販売機を設置。24時間いつでも購入できると好評だ。

自動販売機で購入した人:
8パック(買った)!いつでも買える、珍しいですし

「いや~教科書がないから大変だった!」と初期の苦労をしみじみ振り返る森さん。現在の年間生産量は実に約500kgだ。
「沖縄産に負けない垂水産の海ぶどうがおいしいなというのを広めたいと思ってますね」と張り切る森さんの挑戦は、これからも続く。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
鹿児島テレビ

鹿児島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。