2023年5月9日、福岡市東区の水族館「マリンワールド海の中道」で行われた、大がかりなイワシの移送作業。1万匹が大移動した。

理想的なイワシのサイズは体長10cm前後

マリンワールド海の中道に到着した「活魚トラック」。荷台の生け簀で大切に運ばれてきたのは体長10cmほどのマイワシ。その数、約1万匹!
愛媛県で水揚げされ、はるばる8時間かけて福岡までやってきた。これからはマリンワールドの外洋大水槽に新たな仲間として加わることになる。

この記事の画像(8枚)

マリンワールド海の中道によると、大水槽では常時、約2万匹のイワシが飼育されているが、寿命で死んだり、ほかの魚に食べられたりして数が減るために、毎年、大量に補充しているという。

今回、仲間入りしたマイワシは愛媛県の海からやってきたイワシだが、マリンワールド海の中道ではこれまで、長崎県、静岡県からも仕入れている。

1万匹という数のため、豊漁であることと理想的なサイズであることが条件となる。小さすぎると水槽の中でほかの魚に食べられてしまう可能性が高くなり、大きく成長しているものは、残りの寿命が短い可能性があるため、体長10cm前後のものが理想的だ。数とサイズ、そのほかにもさまざまなことを考慮し、全国の漁場から仕入れ先を決めているという。

イワシに負担をかけないためバケツで

トラックのいけすから大水槽まで、傷をつけずに運ぶため、まずは移動用のタンクにイワシは移される。

日高真実ディレクター:
イワシは「魚へんに弱い」と書きますが、文字通りとてもデリケートということで、うろこが1枚はがれるだけで死んでしまうそうなんです。そのため傷つけないよう一気に移さず、職員たちがバケツリレーで少しずつ移していきます

今回は特別に、取材したディレクターも作業を手伝わせてもらうことになった。

日高真実ディレクター:
おぉ…、かなり重たいですし、スピードも必要なのでとても神経を使います。本当に地道で…。気の遠くなるような作業です。バケツ何杯分くらいなんですかね?

職員:
100杯以上だと思います。正直、数えてられないです

日高真実ディレクター:
そうですよね。本当に地道な作業ですが、これが最もイワシに負担がかからない方法だということで、職員の皆さんの愛が感じられますね

1万匹のイワシを約1時間半かけてタンクに移し替え、その後は専用のクレーンで大水槽へと移動する。つり上げたタンクをゆっくり沈めると、新入りのイワシたちは、列をなすように一斉に飛び出して水槽に元から居た群れに合流し、悠々と泳ぎ出した。

1万匹の仲間が加わって、さらに迫力を増したマリンワールドのイワシの群れは、早速、翌日から公開された。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。