ロアッソ熊本は昨シーズン、J1昇格争いをするなど快進撃を見せた。そのスポンサー事情を取材すると、見えてきたのは、台湾の半導体製造大手TSMCの熊本進出の影響だった。
“パートナー”は非常に心強い
プロスポーツクラブを支えるスポンサーを、Jリーグでは“パートナー”と呼んでいる。
アスリートクラブ熊本・片山良二営業部長:
どのクラブも、平均を取ると、クラブの総予算の半分くらいはパートナーの協賛金で賄っているのが現実なので、パートナーからの協賛金を増やすということは、クラブ規模の拡大につながる一番の近道と思う

選手を補強し、さらに上のカテゴリーを目指す上でもパートナーは重要な存在。3月19日のV・ファーレン長崎戦で来場したサポーターに、クリアファイルやTシャツを無料でプレゼントしたのは、2022年9月にオフィシャルトップパートナーになったアウトソーシングテクノロジーだ。

Tシャツをもらった男児:
こっちもあるけど、うれしいです

支店の拡大を見据え支援
アウトソーシングテクノロジーは、エンジニアに特化した人材サービスを提供する会社だ。なぜ、東京に本社を置くこの企業が熊本のクラブを支援するのか?その背景には、台湾の半導体製造大手TSMCの進出があった。

アウトソーシングテクノロジー 雇用戦略本部・山根弘行本部長:
今後、熊本の半導体需要拡大に向けて、我々は2~3倍に(熊本)支店が大きくなることを見据えている。熊本地域の雇用やキャリア開発をしていくのが我々の人材ビジネスなので、そこに力を入れていくために、熊本の方に我々を知っていただくのをやっていこうというのが(パートナーの)きっかけ

3月19日の長崎戦は、自社の冠を付けた特別な試合。応援ムードをさらに高めようと、特別にデザインした旗3枚をサポーターに贈呈した。

アウトソーシングテクノロジー 雇用戦略本部・山根弘行本部長:
スポンサー契約だけでは3,000万円くらいだが、プラスアルファの今回の旗の贈呈やコレオグラフィの準備など、そちらが大きな金額になってくると思う。“熊本の夢、J1へ”というのが実現できるようにスポンサーとしてサポートしていきたい

アスリートクラブ熊本・片山良二営業部長:
全国区の企業なので非常に心強いですし、熊本が盛り上がるような企画を一緒に検討していただいたり、“一緒の仲間になって熊本を支える”という、非常に形になっている企業だと思う

ちなみにパートナーからの広告協賛金だが、2022年は4億290万円だった。2023年は、3月末時点で4億5,000万円のめどがつき、年間を通しては5億円の目標を掲げているが、J2平均の8億4,600万円には遠く及ばない。
TSMCの進出がさらなるパートナーの契約拡大につながるのか、今後の動きが注目される。
(テレビ熊本)