春の花見から秋の芋煮の時期まで、多くの人が楽しんでいるバーベキュー。しかし、火災につながる危険性もあるという。風の状況や着火剤の取り扱いなど、注意すべき点があるようだ。

風が弱いと注意が緩む

福島県内ではバーベキューの火が原因の住宅火災も発生している。「突風とかで火種が枯草に燃え移って、枯草が燃えてしまったという火災が事例としては一つあります」こう話すのは、郡山地方広域消防組合の吉田武司さん。
郡山消防本部によると、2023年は4月末までに64件の火災が発生していて、約8割は風速4メートル以下の風が弱い状況だったという。

2023年1月からの火災件数と当時の風速(郡山消防本部館内)
2023年1月からの火災件数と当時の風速(郡山消防本部館内)
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郡山地方広域消防組合の吉田さんは、風が弱いと火に対する注意が緩んでしまうと指摘する。
「今の時期は、風の強さも無風だったり、そよ風だったと思っても急に突風が吹いたりとか風が強くなったりとか、同時に風向きもすぐ変わってしまうので、ある程度周りは燃えやすいものを置かないように」

郡山地方広域消防組合・吉田武司さん
郡山地方広域消防組合・吉田武司さん

周囲の安全を確認すること。飛び火などに備えて消火用の水を必ず用意すること。そして郡山地方広域消防組合の吉田さんは「一見消えたと思った炭を放置して、そこから住宅火災に発展してしまったケースも全国的にもたくさんありますので、水をかけてしっかりと消火を」と注意を呼び掛ける。

飛び火に備え消火用の水を用意 炭は水をかけて必ず消火を
飛び火に備え消火用の水を用意 炭は水をかけて必ず消火を

着火剤の追加は危険

さらに注意してほしいのが「着火剤の取り扱い」だ。炭に一度火をつけたにも関わらず「火力が弱い」「早く調理したい」もしくは、明るい屋外で「まだ燃えていない」と勘違いしつぎ足すことは危険だ。つぎ足した着火剤が誤って衣服に付着してしまい気付かずに火のそばにいると、わずか数秒で衣服が燃え始めてしまう。着火剤は揮発性・燃焼性が高い成分が含まれているのでつぎ足しはやめよう。万が一の際に備えて、近くに水をくんだバケツや湿らせた布を用意することも大切。

つぎ足した着火剤が誤って衣服に着くと着火のおそれ
つぎ足した着火剤が誤って衣服に着くと着火のおそれ

バーベキューを楽しい思い出にするためにも、事前の準備と注意が必要だ。

(福島テレビ)

福島テレビ
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