“円”と表示された価格が、実は中国の“元”で「20倍も高く請求された」。
そんなネット通販の落とし穴が問題となっている。

ネット購入後、1680円が20倍の価格に

4月19日、国民生活センターが問題を指摘したインターネット通販サイト。

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寄せられた相談にはこんな声が含まれていたという。

「20倍の価格で購入したことになっている」

問題の通販サイトで売られていたのは、文字を美しく見せる“カリグラフィー”と呼ばれる技法のガイドブック。

その価格は、1680円かと思いきや、表示価格は円ではなく中国の通貨“元”だったのだ。

現在のレートで換算すると、ガイドブックの価格は約20倍の3万3000円に跳ね上がる。

円マークは、日本の円(YEN)を表す通貨記号だが、

中国の通貨「元」は、英語で「YUAN」と表示する。

頭の文字がYであることから、日本と中国で同じ通貨記号となるのだ。

一般的な感覚では、日本円としか思えない表示価格。街の人にも見てもらうと、ほとんどの人が「1680円」と、やはり元ではなく円と勘違いした。

さらに、本当の価格が20倍になるということを伝えると、その価格に驚き「何の疑いもなく1680円だと思って買います」と話していた。

「円マークと誤認し購入」相談が約100件

国民生活センターには、円マークと誤認し商品を購入したといった相談が、約100件寄せられている。

国民生活センター:
日本人向けに明らかに商売しているなら、特定商取引法を順守する必要がある。それが守られてないということは、違反している。

しかし、通販サイトの販売業者とは連絡が取れない状態だという。

街の人は「混乱を招く書き方だと思う」「用心深く買い物をするのが必要だけど、対策が難しい」と話していた。

国民生活センターは、「価格表示が日本円なのかどうかをよく確認した上で、商品購入の申し込みをしてほしい」と注意を呼びかけている。

口コミサイトや「188」で事前にチェック

住田裕子弁護士:
これは誤解を与えます。日本語表記サイトですから、日本円で書くべきなんですよ。
中国元であれば、「元」だと書かなければいけない。これは法律違反ですが、この業者はそれをわかってやってる。

そして、対策ですけれど、自衛措置を取るしかないですから、事前に口コミサイトなどでトラブルはないか確認。そして、消費生活センター「188」に確認する。こうやって自衛するしかないと思います。

榎並大二郎キャスター:
返金はしてもらえる?

住田裕子弁護士:
悪徳業者は返金してくれません。
対応しないと思います。行政対応は難しいです。

榎並大二郎キャスター:
みなさんネット通販を利用する際は、気を付けてください。


(「イット!」4月19日放送より)