アメリカ・カリフォルニア州の元市長が、中国政府の情報機関の指示を受け“工作活動”を行ったとして起訴され辞任した。
地元ニュース発信を通じ影響工作をしていた疑いが波紋を広げている。

中国の工作員として活動した罪で市長を起訴、市長職を辞任

アメリカ・カリフォルニア州の市長がかつて送っていたとされるメッセージ。

この記事の画像(44枚)

リーダーありがとうございます。

アメリカの市長が“リーダー”と呼んだ相手は、中国政府の情報機関で責任ある立場にいたとされる人物だった。

アメリカ国内で“中国の工作員”として活動した罪で市長が起訴され、市長職を辞任したことが大きな波紋を呼んでいる。

日本時間の13日未明、米中首脳会談が行われる中国・北京に向け出発するアメリカ・トランプ大統領が報道陣の前に。

北京へ向け出発する前のトランプ大統領
北京へ向け出発する前のトランプ大統領

トランプ大統領:
中国とは、今後何十年にもわたって素晴らしい関係を築いていけると思う。国家主席と私の関係は素晴らしいものになるだろう。

今回のトランプ大統領訪中には、テスラ社のイーロン・マスクCEOに加え、半導体の世界最大手・エヌビディア社のCEOも同行していて、2つの大国の間で、どのように経済的なディールが交わされるか注目される一方で、日本時間14日の首脳会談では、懸案の“台湾問題”がどう議論されるかも焦点の1つとされている。

そんな両国の駆け引きを前に、中国側によるアメリカ国内での工作活動とみられる動きが明らかに。

驚くべきは、“工作員”として活動した罪で起訴されていたことが明らかになった人物の職業だ。

アルケイディア市の元市長、アイリーン・ワン被告(58)
アルケイディア市の元市長、アイリーン・ワン被告(58)

2026年2月から5月11日まで、アメリカ西部カリフォルニア州のアルケイディア市の市長だったアイリーン・ワン被告(58)。

アイリーン・ワン被告(市長就任時の宣誓、2026年2月):
私は、国内外にどのような敵がいても合衆国憲法および州憲法を順守します。

そんなワン被告は、市長就任前の市議会議員時代、次のような演説も行っていた。

アイリーン・ワン被告(2022年、アルケイディア市ウェブサイトより):
アルケイディア市の119年の歴史の中で、私が中国本土出身として初めて選出された中国系女性議員であることを耳にしたかもしれません。この節目で担う責任の重さを私は理解しています。

しかし、そんな言葉とは裏腹の行動が明るみに。

2020年から2022年までの間“工作活動”か

アメリカ司法省によると、ワン被告は2020年から2022年までの間、中国政府当局の指示による“工作活動”を行っていたという。

その1つが、ウイグル人への人権問題が国際的に指摘されていた、新疆ウイグル自治区をめぐる“発信”。

新疆において大量殺害(ジェノサイド)は存在しない。いかなる生産活動においても強制労働などというものは存在しない。

ワン被告は、このような文章を、中国政府の情報機関の当局者から受け取った。
そして、こうした文章を自らが共同で運営していた地元向けのニュースサイトに投稿したという。

その後、ワン被告は記事のアクセス数を中国政府の当局者に報告。
「素晴らしい」とほめられると、「リーダーありがとうございます」と返していた。

市は、ワン被告による“違法行為”が、市議会議員や市長になる前の出来事だったと指摘する一方で、「外国政府が地元の公選職にある人物に対して影響力を行使しようとしたという疑惑は極めて憂慮すべき事態であり、私たちはこれを重く受け止めております(アルケイディア市の広報文より)」としている。
 (「イット!」5月13日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(44枚)