2024年に開かれるパリオリンピックで正式種目となる「ブレイキン」。石川県内にもオリンピック出場に期待がかかる選手がいるが、実はルールや採点方法があまり知られていない。今回、注目選手と共にルールや起源などについても取材した。
パリ五輪の正式種目!石川県は先進県だった!
華麗なステップに…
この記事の画像(31枚)派手な回転!
曲に合わせ、交互にダンスを即興で披露し対決する競技。それが「ブレイキン」だ。
2024年に開かれるパリオリンピックで正式種目となり、さらに人気が高まっているが、実は石川県は「ブレイキン」先進県なのだ。
日本ブレイクダンス青少年育成協会 草野真澄代表理事:
全国的にみると石川県というのは、子供たちの指導にとりかかったのが早かったので、すごく石川県の競技人口が多いのかなと思います。
石川県では20年ほど前から、ダンススクールが設立され、ブレイキンの競技人口は全国1位だと言う。
国内最大級の大会ベスト8 大能選手の得意技「パワームーブ」
2023年2月に行われた、国内最大級の大会では女子の部で村上結菜(むらかみゆいな)選手がベスト8に。そして男子の部でも、大能寛飛(おおのひろと)選手がベスト8に入り地元選手の実力はトップクラスだ。この春、高校を卒業したばかりの大能選手。得意技は…?
大能寛飛選手:
パワームーブが僕の1番の武器です。
パワームーブとは体の様々な部分で回転する技だ。
大能選手:
ダイナミックさとか、シルエットがみんなにかっこいいって言ってもらえるので武器になっているのかなって思います。
このパワームーブを武器に、国内だけでなく海外の大会でも優勝し、いまや金沢と海外を行き来する毎日。
ブレイキン誕生はギャングの抗争から…4つの要素でバトル!
そもそも「ブレイキン」が誕生したのは、ある意外な理由から。
草野さん:
ギャング同士の抗争から、それをダンスで解決しようみたいな感じで始まったものです。
1970年代のニューヨークでは、縄張り争いでたくさんの命が奪われていた。
そこでDJだったギャングのボスが「殺し合いをせずに音楽で勝負する」と提唱したことによって、ブレイキンが誕生したと言う。(諸説あり)
そんなブレイキンには大きく4つの要素がある。
1つ目は立ってステップを踏む「トップロック」。この動きからブレイキンは始まる。
2つ目はしゃがんだ状態でステップや足さばきを見せる「フットワーク」。
3つ目は体の様々な部分で回転する「パワームーブ」。先ほど紹介した大能選手の得意技だ。
4つ目は、一連の動きから音に合わせて動きを止める「フリーズ」。
これらを即興で組み合わせて踊り、審査員が勝敗を決める。
実際に試合を見てみると…
4つの要素を曲に合わせながら組み合わせているのが分かる。試合の結果は…
草野さん:
今の勝負はソラちゃんの勝ちです。
審査のポイントを聞いてみた。
草野さん:
形とバリエーションの多さとか、リズムを崩さないように踊っているとか、そういうところ(が勝因)ですかね。スピード感だったり失敗している、成功しているだったり(技の)難易度の高さ、音楽表現などのポイント、もっとたくさんあるんですけど大まかにいえばそんなところを審査員は見ていると思います。
ブレイキンを始めて9年、毎日5時間以上の練習を欠かさない大能寛飛選手。今の目標は?
大能選手:
今、目標はやっぱりオリンピックに出ることで、オリンピックは自分のダンス人生の中で最大の目標になってくるんじゃないかって思います。
パリオリンピック出場へ!地元選手の活躍に期待だ。
(石川テレビ)