大学院生だった女性が、「俺の女にしてやる」などとセクハラを受けたとして賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所が、当時指導教員だった男性教授と早稲田大学に賠償を命じた。

セクハラ発言で早稲田大学と教授に賠償命令

報道陣の前に座る女性は、詩人の深沢レナさん(32)。

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早稲田大学の教授だった渡部直巳氏から、「俺の女にしてやる」とセクハラ発言を受けたなどとして、渡部氏と早稲田大学を訴えていた裁判で、東京地裁は6日、渡部氏と早稲田大学に賠償を命じる判決を言い渡した。

問題となったセクハラ発言があったのは、2017年。

当時、早稲田大学の大学院生だった深沢さんは、指導教員だった教授の渡部氏からこう発言されたという。

「卒業したら女として扱ってやる」
「俺の女にしてやる」

他にも、頭や肩を触られるなどセクハラ行為を受けたため、深沢さんは別の教授や大学側に相談。

しかし、適切な対応が取られず、精神的な苦痛を受け退学を余儀なくされたという。

深沢さんはその後、渡部氏と早稲田大学に対し、660万円の損害賠償を求める裁判を起こした。

東京地裁は、6日の判決で、渡部氏の言動を「性的な不快感を与え、人格権を侵害するもので違法」と指摘。
渡部氏と早稲田大学に合わせて約60万円の賠償を命じた。

セクハラは「被害者のその後の人生を決定的に変えてしまう」

深沢さんは、判決後の会見で“セクハラ行為の卑劣さ”を重ねて訴えた。

深沢レナさん:
セクハラはたった一度の過ちなどではありません。被害者のその後の人生を決定的に変えてしまいます。
今、被害者が声を上げたとしても、被害者非難や傍観者たちの無関心によって孤立し、心をすり減らされてしまうのが現実です。
過去の過ちを繰り返さないよう、大学にも関係者にも傍観者の方々にも、この件から何か学んでほしいと願っています

早稲田大学は、今回の判決を受け「極めてざんきに耐えません。再び同じような事案を起こさぬよう、今後も全力で再発防止策を講じてまいる所存です」としている。


(「イット!」4月6日放送より)