山形・鶴岡市の“春の風物詩”が2023年も始まった。市内の湯田川地区にある農業施設では、温泉の余り湯を利用してイネの種もみの発芽を促す伝統の「芽出し作業」が行われている。

温泉を使って田植えの準備

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余り湯を活用した「芽出し作業」は、温泉地として知られる鶴岡市湯田川地区で、江戸時代後期から続く田植えの準備作業で、2023年は4月1日から始まった。

種もみの催芽に最適な32度
種もみの催芽に最適な32度

水路に流された余り湯は種もみの催芽に最適な32度で、農家が10kgほどに袋詰めして預けた種もみを、4日午前5時すぎから作業員が一つひとつ浸していった。

種もみは10時間から12時間ほど浸され、その後、枕木の上に並べて「むしろ」を被せ、さらに同じぐらいの時間、蒸気で蒸して発芽を促す。

新潟県などからも持ち込まれる

「お湯を活かす」温泉地ならではの知恵が詰まった伝統の作業法で、専用の機械を使うよりコストが低く、発芽の揃いも均一になるメリットがあるそう。

JA鶴岡生産振興課・佐藤泰紀さん:
2023年は天気も良く催芽もとても良い状況。良いものを提供するということで準備している

「余り湯」の中に丁寧に並べられ種もみ
「余り湯」の中に丁寧に並べられ種もみ

作業は4月いっぱい続き、今シーズンは庄内一円のほか、新潟県からも「はえぬき」「つや姫」「ひとめぼれ」など約240トン・5500ha(東京ドーム1200個)分が持ち込まるという。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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