特異な才能を持つ「ギフテッド」と呼ばれる子どもの支援に向けて、文部科学省が予算8000万円を計上した支援策が本格的にスタートする。

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7団体が具体的な支援策を検討

特異な才能を持つ「ギフテッド」と呼ばれる子どもは、特定の分野で突出した才能を持つ一方、授業が簡単すぎて苦痛に感じるなどの理由から、不登校になるケースがある。

文部科学省は、様々な才能を持つ子どもに合わせた授業や学校づくりを進めるため、教育委員会や大学に具体的な支援策の検討を委託する方針を2022年に固めた。

そして4月3日、文部科学省が委託する団体の採択結果を発表し、次の7団体が採択された。

長野県教育委員会
八王子市教育委員会
名古屋市教育委員会 
国立大学法人東京学芸大学
国立大学法人筑波大学 
国立大学法人三重大学
学校法人星槎 SEISA アカデミー 

この7団体は、それぞれ文部科学省から数百万円の支援を受け、子どもの関心にあった授業づくりや才能と障害を併せ持つ子どもへの対応のあり方などについて研究をスタートする。その後、研究に基づいて、各団体は実際の中学校や高校で「ギフテッド」に対応した新たな授業などを実際に行う。文部科学省はその中から効果的な指導法を全国に周知する考えだ。

「それぞれに合った学びができる環境作りを」

文部科学省の有識者会議が保護者や教員などに行ったアンケートによると、「ギフテッド」の具体例として、以下のような実例があげられた。

「現在小2、小学校範囲の数学は終了し中学数学も終了する勢いです」

「4歳で進化論を理解していた。8歳で量子力学や相対性理論を理解していた」

「小学校低学年の頃記憶力に優れていて、アニメの映画を一本全部セリフや効果音を覚えていて再生できた。歴史の本も一冊暗記し、ページ数を言うとそこに記載してある合戦名や大将の名前、兵の数、どんな戦いだったか説明できた」

一方でアンケートでは、子ども本人から「周囲に合わせろと叱られ、授業中は常に暇を持て余していた」「入学前に全て学んでしまっていたので新しい刺激が全くなく、学習の意欲が明らかに低下していった」などの悩みも聞かれた。

文部科学省の担当者は「子どもは1人1人違うので、この実証事業を契機に、特異な才能を持つ子どもだけでなく、それぞれの子どもに合った学びができるような環境作りをしてきたい」と話す。

林英美
林英美

社会部文部科学省担当。警視庁捜査一課、サブキャップを歴任。