2021年に山形・最上町で切り倒された「日本一の大アカマツ」が楽器となってよみがえり、3月26日に演奏会が開かれた。樹齢600年のマツの豊かな音色が、会場に響き渡った。

“地域のシンボル”を楽器に

この日のために結成された“町民オーケストラ”。メンバーは胸を高鳴らせていた。

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最上町民:
興奮している。とっても素敵な音。皆さん喜んでくれると思う

「手づくり楽器」の先生・泉谷貴彦さん:
聞いている人に伝える。でもその前に、皆さん自身が音の響きやマツの物語を感じよう

手にしているのは、楽器としてよみがえったマツの巨木だ。日本一の太さを誇っていた「東法田の大アカマツ」は樹齢600年。地域のシンボルとして愛されてきたが、2021年、枯死していたことが分かり伐採された。

それと同時に始まったのが、大アカマツを楽器としてよみがえらせ演奏するプロジェクトだった。自然乾燥に費やした歳月は1年8カ月。

高知で音楽の先生をしていた手づくり楽器の第一人者・泉谷さんが、木の状態を確かめながら製作を続け、3月上旬、地元の子どもたちと一緒に完成させた。

「いつか本格的なオーケストラを…」

そして迎えた26日の演奏会。泉谷さん作曲のオリジナル曲を含む13曲が披露された。豊かな音色が会場に響き渡った。

最上町民:
600年という時を越えて素晴らしいメロディーが生まれて、すごく心に響いた

最上町民:
やさしい音色。ゆったりしている。素晴らしい

今回、大アカマツから生み出された楽器はハープとフィドルをあわせて10台。まだ40台分の木が、手つかずで保管されている。

「手づくり楽器」の先生・泉谷貴彦さん:
いつか本格的なオーケストラを作って子どもや大人みんなで「響き」を作れたら、どんなにすてきだろう。その夢を見ている

最上町に根を張って600年。楽器としてよみがえった大アカマツは、これからも町民とともに生き続ける。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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