鹿児島を拠点に活動する男子バレーボールチーム「フラーゴラッド鹿児島」は、クラブ運営に携わるエグゼクティブディレクターに、東京五輪女子日本代表監督の中田久美さんが就任したことを発表した。就任決断の決め手は何だったのか。

鹿児島からVリーグを目指し発足

「地域に根ざしたクラブ運営を!鹿児島からVリーグチームを!」そんな目標を掲げ、鹿児島・日置市に「フラーゴラッド鹿児島」が発足したのは2021年4月。元Vリーガーを含む社会人、大学生などが所属している。

鹿児島を拠点に活動する「フラーゴラッド鹿児島」
鹿児島を拠点に活動する「フラーゴラッド鹿児島」
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小・中学生向けの無料バレーボール教室を実施しているほか、2023年1月~3月開催の第13回全国6人制バレーボールリーグ総合優勝大会で、準優勝に輝いた。そして2023-24シーズンからは、V3リーグに参戦だ。

「チームと自分の新たな可能性に一歩踏み出すタイミング」

中田久美さんのエグゼクティブディレクター就任会見は、3月23日、地元・日置市の伊集院総合体育館で開かれた。実は中田さんは現役時代、ここで公式戦に臨んでいる。

「フラーゴラッド鹿児島」のエグゼクティブディレクターに就任した中田久美さん
「フラーゴラッド鹿児島」のエグゼクティブディレクターに就任した中田久美さん

中田久美さん:
伊集院の体育館は、現役の時に試合をした経験のある、とても思い出深い会場のひとつ

会見でそう語った中田さん。中田さんといえば、15歳で全日本初選出。ロサンゼルス、ソウル、バルセロナと3度の五輪を経験し「天才セッター」として知られた。そして2021年の東京五輪では、監督として日本女子代表を率いた。

鹿児島テレビが単独インタビュー
鹿児島テレビが単独インタビュー

東京五輪後、バレーボールから離れていたという中田さんが、なぜフラーゴラッドのエグゼクティブディレクター就任を決断したのか。鹿児島テレビの単独インタビューに、中田さんはこう答えた。

中田久美さん:
リスタートという意味で新しいものを作り上げようとしているフラーゴラッドと、自分の新たな可能性に一歩踏み出すタイミングが今なのかなと感じた。(スタッフの)日置市のためにとか、鹿児島県の皆さんにという熱い思いの中に、私を必要としてくれたことがすごくうれしかった

チーム育成に「天才セッター」の手腕が注目

中田さんは今後、チームが抱える課題の解決に向けて積極的に議論をしていきたいと、早くも意気込みをみせている。

中田久美さん:
選手たちの練習環境とか地域にどう根付かせていくのかとか、アンダーカテゴリーの子どもたちをどのように育てていくのかとか、たくさんの課題が出てくると思う。その中で、自分のやってきたことや経験を積極的に提案していく形になる

会見で、中田さんは「選手たちはバレー以外の仕事をしてバレーボールをしているという、アスリートとしては考えられない大変さをしっかりと受け止め、さらに彼らがバレーボールに集中できるいい環境をサポートして、世界に1人でも多く羽ばたいてもらいたい」と語った。

中田さんはクラブ運営に携わりながら、今後イベントなどにも参加する予定だ。

かつての天才セッター、元代表監督が、今後どんな多彩なトスワークを展開し、フラーゴラッドを育てていくのか。その手腕に注目だ。

(鹿児島テレビ)

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