あの国民的人気コンテンツ「ポケモン」が工芸作品とコラボした。2023年3月21日から石川県金沢市の国立工芸館で始まったのはポケモン、ポケットモンスターを題材とした展覧会。工芸とポケモンのコラボは、ポケモン世代も、ポケモン世代以外も楽しめるものだった。

2023年3月21日から国立工芸館で始まった「ポケモン×工芸展〜美とわざの大発見〜」

ゲームやアニメで世界的に人気を博しているポケットモンスターを工芸作品として表現した全国初の展覧会だ。

記者:
こちらには僕がゲームで使っていたフシギバナがいるんですが肌質などがとてもリアルで今すぐにも動き出しそうです。

金と銀でメッキした躍動感あふれるサンダースに…

自在置物でリアルに表現されたギャラドス。

会場には、約70点の作品が展示されファンにはたまらないポケモンの世界が広がっている。

国立工芸館 唐澤昌宏館長:
ポケモンというのは2次元の世界の中にいるわけですけども、それが3次元に現れてさらに素材感を持って質感を持って目の前に現れてくるわけですよね。今までとはちょっと違うのかなという感じは致します。

国立工芸館が金沢に移転する前から構想が始まり、3年半がかりで実現したこの展覧会。最初に提案を持ちかけたのは「株式会社ポケモン」の方だったそうだ。

株式会社ポケモン 石原恒和代表取締役社長:
同じプロダクトというカテゴリーで言うと工芸作品とポケモンというのはものすごく近しい関係で、いろんな発見や挑戦ができるんじゃないかなと。自分の予想をはるかに超えるものがいっぱい出てきたので、これは本当に成功だったんじゃないかなと思います。

今回は人間国宝から若手まで20人のアーティストが参加。子供の頃にポケモンをプレイしていた作家もいれば、今回のために初めてゲームをやって殿堂入りまで果たした人もいるそうだ。

国立工芸館 今井陽子さん:
ポケモン世代ではなかった方々は最初、やったことないけどできるかなとちょっとためらいはあったんですね。実際、調べてみたらかわいいのがいっぱいいるので迷っちゃうなと言いながらモチーフを探していらっしゃったそういう方もいます。

展覧会のテーマは大きく分けて3つ。

1つ目は「すがた」。様々な物質でポケモンのフォルムや表情、しぐさが表現されている。

2つ目は「ものがたり」。金属でできたパーツを動かすとポケモンが進化する作品やポケモンの技をダイナミックに表現した作品などゲームの登場人物になった気分を味わうことができる。

そして3つ目は「くらし」。壺や器など生活で使う工芸品とポケモンが組み合わさった新たな化学反応を楽しめる。

国立工芸館 唐澤昌宏館長:
普段使っている工芸とは一線を画すような、技も色合いも考え方もいろんなものが広くそこに凝縮されているポケモンを、まずは工芸に入る入り口にしていただいて、それから入ってしまえばこっちのもの…とそう思っています。

この展覧会は、石川県金沢市の国立工芸館で6月11日まで開かれている。ポケモンと工芸との出会いを楽しんでみてはいかがだろうか。

(石川テレビ)