広島カキを世界へ“生のまま”届ける新たな動きがある。県産カキの出荷施設が、国内初となる空港に作られた。カキを生で食べることが一般的な海外マーケットに挑み、鮮度の高い“生食用のカキ”で勝負する構えだ。
広島空港にカキの水槽や加工場が
広島県が生産量・全国トップを誇るカキ。身が厚くぷりっとしていて、濃厚な味わいが自慢の特産品である。
この記事の画像(9枚)県は2020年度に約7億円だった県産カキの輸出額を、2025年度に12億6000万円に伸ばす計画だ。さらに、2030年度には23億円を目標に海外輸出を強化している。
その目標達成へ追い風となるか。海外への販路拡大、さらに高品質を維持するためのカキの出荷施設が、これまでになかったある場所に作られた。
青坂匠 記者:
施設の目の前を飛んでいく飛行機が見えます。こちらの施設は、広島空港の敷地内に作られました
施設ができたのは、広島県三原市にある広島空港。
水揚げされたカキの鮮度を保つ水槽や冷蔵設備、カキを加工するための作業場を備えた「HIROSHIMA Oysters」が完成し、3月13日に竣工式が行われた。
「生の海外マーケットで勝負したい」
「HIROSHIMA Oysters」は県内のカキ生産者など4社が共同でオープンさせ、出荷までの一連の工程を担う。
HIROSHIMA Oysters・佐々木猛 社長:
海外のマーケットを見渡してみたときに、やはり一番評価が高いのは生のカキ。高級で消費されているのは生のおいしいカキだろうと思います。そのマーケットで勝負したい
県産カキの主な輸出先となっているアジアをはじめ、海外では生食用のカキのニーズが高い。
カキの冷蔵輸送では鮮度の高さが最も重要となる。これまで、海外への輸送には関東や関西の空港に持ち込むしかなく、水揚げから現地に届くまで数日かかっていた。今回、広島空港の貨物ターミナルに出荷施設を構えたことで、最短でその日のうちにカキを届けることができるという。
HIROSHIMA Oysters・佐々木猛 社長:
とにかく“最速で航空便に乗せる”というのが前提。航空便の時間に合わせて最大限元気なカキを運び込み、広島のカキが世界各地へ流れていくイメージです
広島カキの輸出強化へ向け、新たな出荷施設に期待がかかっている。
(テレビ新広島)