農作物への被害を減らそうと、札幌市で一風変わったエゾシカ猟が行われた。
“エゾシカ”による農作物への被害拡大…「ドローン」駆使しエゾシカ猟
今回活躍したのはドローンだ。リモコンを持つ操縦士と、モニターを見ながら指示をする男性。

沼田海征記者:
いまドローンが飛び立ちました。これからシカがどこにいるか探しに行きます
この猟は、札幌市や猟友会などがシカによる農業被害などを減らそうと行われた。

ドローンを使ってどれだけ効率的に駆除できるのか? 実験には65人のハンターが参加した。

CDP北海道・小田喜之さん:
ズームして、オスかメスか確認してください。川の方を見てみますか

縦・約1km、横・約1.5kmの範囲をマスの目に区切る。

ドローンに搭載されたカメラがシカの姿をとらえた。

周囲の風景に紛れ分かりにくい動きを、温度を感知する装置で追跡する。

こうして、シカやハンターの位置を確認。
それをもとに指示を出し、勢子(せこ)と呼ばれる獲物を追い立てる係が効率的にシカを追い込んでいく。

追い立てられたシカがハンターの発砲できる範囲に入ってきた。そして…。
猟に参加した人:
1頭、捕殺
猟は約2時間にわたって行われ、7頭のエゾシカが駆除された。
参加したハンター:
ドローンを目標にして、その下にシカがいるので狙いを定めやすい。動きやすいので、狩猟としてのやりやすさは格段に違う

猟友会札幌支部・玉木康雄理事:
俯瞰映像の効果を考えると、ドローンは15~20人分の働きをしてくれていると思います

北海道ではエゾシカの増加に伴い、農作物への被害が増えている。

2022年度の被害額は北海道全体で約45億円で、14万頭以上が駆除された。
猟が行われた付近の住民は。
付近の住民:
趣味でやっている畑だが、それでもエゾシカの被害は大変でした。新芽を食べられてしまう。2022年はだいぶ駆除して、2023年に入ってからも駆除しているから、春からは助かるかな

今回の猟では、人の気配に敏感で警戒心が強い「スマートディア」と呼ばれるシカが多かったことがわかった。
これが増えると駆除の効率が悪化するため、猟友会は警戒を強めている。
猟友会札幌支部・玉木康雄理事:
上空のドローンの位置を見て、どちらに逃げたらいいのか考えるシカもいた。それを駆除して、新たなスマートディアが誕生するのを抑制していくことが必要

猟友会では今後もドローンを活用して、エゾシカの駆除を行っていくことを検討している。
(北海道文化放送)