2022年度で閉校する新潟県阿賀野市の小学校で校舎内を全力で走るイベントが開かれた。子どもたちに最後の思い出をつくってもらおうと、PTAが企画したイベントに密着した。
校舎を全力疾走!最後の思い出づくり
逃げる子どもたちに、追いかけるハンター。


3月8日、阿賀野市の分田小学校で開かれたのは「逃走中in分田小」。

逃げるのは、分田小学校の児童38人で、対するハンターはPTAの保護者など大人が務める。
分田小学校の卒業生 清野幹さん:
最後に子どもたちの笑顔を見たい。一生懸命やるので、いい思い出になれば

分田小学校の卒業生で、タレントの清野幹さんもハンター役として参戦した。

児童はハンターから逃げながら、捕まった仲間を助けるため、ミッションにも挑戦。

本家さながらの「逃走中」を楽しむ子どもたちの一方で、肝心のハンターはというと…
ハンター:
追いつかない

ハンター:
全力で走ると、子どものほうが速い

始まって早々、疲れの色を見せる。

それでも、大人たちがここまで本気になるのには、ある理由があった。
分田小学校PTA 中山雅人 会長:
本当に最後なので、普段は「走っちゃダメだよ」と言われている校舎の中を「全力で走っていいよ」と。そういう思い出をつくってほしい

2020年に新型コロナウイルス禍で学校行事が軒並み中止となる中、子どもたちに少しでも思い出をつくってもらおうと始まったこのイベントだが、今回が最後。

分田小学校は2022年度で閉校し、138年の歴史に幕を下ろす。「最後の思い出を校舎でつくってほしい」そんな思いが込められていたのだ。

分田小学校の卒業生 清野幹さん:
いざ、自分の母校が閉校になると、こんなに寂しいものなんだなと。このまま終わるより、僕も6年間通った学び舎で、一緒に生徒たちと遊ぶことができたので、本当にいい思い出になった

ハンターに捕まってしまった子どもも、逃げ切れた子どもも、138年の歴史が刻まれた校舎内を全力で駆け回った子どもたちには笑顔があふれていた。

児童:
思い出に残った
児童:
6年間で3回しかできなかったけど、みんなと協力して逃げられたことが本当に楽しかった
児童:
本当は来年もやりたい。閉校になるのが悲しい

閉校前の校舎には、子どもたちの元気な声が響いていた。
(NST新潟総合テレビ)