2月26日から、愛媛・久万高原町で3年ぶりに始まった「くままちひなまつり」。地元の人々がそれぞれの思いを込めて準備を進めている、開催直前の町を訪れた。

開幕直前!町中で準備が進む「くままちひなまつり」

名護谷希慧アナウンサー:
久万の中心商店街にきています。コミュニティースペースの「ゆりラボ」という施設なんですが、人影が見えるんですよね。中にはたくさんのひな人形が…

地域おこし協力隊・直木志乃さん:
ひな人形の飾り付けを

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「ひなまつり」の開幕まであと2週間というこの日。地元の人が集まって、ひな人形の飾り付けにとりかかろうとしていた。

地元の人:
あらまあまあ、これは立派な、おひなさんでも一回り大きいぞね。きれいなぁ。これは美人で

地元の人:
わたしの男前。男前が見えた。うれしい

地元の人が楽しそうに準備しているのは、「くままちひなまつり」。
8年前、過疎化が進む商店街ににぎわいを取り戻そうと始まった。

文字通り「町中」に飾り付けられるのは、全国から寄付されたひな人形。
愛媛の春の人気イベントのひとつで、コロナ禍で中止が続いていたが、2023年、地元の皆さんの念願がかなって、3年ぶりの開催が決まった。

伝統の七段飾りはもちろん、町ゆく人が楽しめるように飾り付けていく。

地元の人:
よかったね、これだけできて。うれしいひなまつりじゃ、本当にうれしいひなまつり

名護谷希慧アナウンサー:
町の中も、少しずつおひなさま出てきましたね

地域おこし協力隊・直木志乃さん:
2月の頭に、おひな人形を配りますという日があって、その日から徐々に増えていっています。お弁当屋さんとかも、ひなまつりを開催していないときも飾り付けをしてくださってたので。ことしも出てますね

名護谷希慧アナウンサー:
おじゃまします。すごい、中にも段飾りが

うまいもん屋 土居 高岡千秋さん:
見ていただいて、春の気分を味わっていただいたらなと思って

このお店の奥に、ちょっと変わったひな人形があるそうで…。

うまいもん屋 土居 高岡千秋さん:
これが珍しいかなと思うんですけど、母の。昔の、70年くらい前のだと思うんですけど

名護谷希慧アナウンサー:
ちっちゃーい。こんなの初めて見ました

“便利”よりも“ひな人形”優先!桜を準備しお花見も

世代を超えて大切にされた、ひな人形の晴れ舞台。
さらに町を歩いてみると…。

地域おこし協力隊・直木志乃さん:
運営委員会の石丸孝子さんたちです

名護谷希慧アナウンサー:
すごく大きな木を持っていますけど、これは?

準備をしている人:
これは桜の木です。石丸さんとこにあったのを切ってきました

運営委員会・石丸孝子さん:
久万高原町に春が来た!って感じで、ことしはお花見します

名護谷希慧アナウンサー:
だからこの桜が必要だったんですね。ここ普段、車をとめてらっしゃるんですよね?

自宅を提供した人:
そうなんです、3台とめて。ひなまつりの間は隣の駐車場借りて

名護谷希慧アナウンサー:
すごいですね。車よりひな人形?

自宅を提供した人:
雨の日なんかは大変な時あるけどね、それでもこちらの方が大事

果たして、どんな仕上がりになったのか…それは、実際に訪れてのお楽しみだ。

ひなまつりでデビュー 猪の骨を使った「猪骨猛進」ラーメン

地域おこし協力隊・直木志乃さん:
くままちひなまつりで、ぜひ食べてほしいグルメがあるんです

名護谷希慧アナウンサー:
あれ、キッチンカー。ラーメンなんですね。新しく始められたんですか?

地域おこし協力隊・江ノ上敦士さん:
始めます、これから。ひなまつりがデビュー戦です。猪の骨を使ったラーメンを提供します

こだわったのは「食べやすさ」。
自家製スープは、材料の猪の骨に臭いが気になるものがないか1つ1つチェックしたうえで、地元産のジャガイモ・タマネギ・ハクサイ・リンゴなどと丸2日煮込んで作る「久万の味」。
仕上げに猪のチャーシューをトッピングした、その名も「猪骨猛進(ちょこつもうしん)ラーメン」。

名護谷希慧アナウンサー:
しっかり色づいたスープですね。おいしい、だしがしっかり出てて、甘みを感じます。猪のくせ、臭みが全然ないですね。すごくすっきりしておいしい

猪のチャーシューは弾力があり、かむほどにうまみがジュワッと染み出す、満足感抜群の一杯。

地域おこし協力隊・江ノ上敦士さん:
あっさりしてるんですよね、いい猪は特に。土地で取れたものをおいしく提供したいって考えた時に、猪はなにかひとつ自分の看板としてやりたいなと。実はこのキッチンカーの名前が、キッチンカー「ちょ」っていうんですよ。猪突猛進の「ちょ」っていうじゃないですか。猪にあやかって「ちょ」なんですよ

久万の新しい名物ラーメン。くままちひなまつりへの次回の出店は、3月26日だ。

地元の高校生も飾り付けに初参加

名護谷希慧アナウンサー:
すごい、ここ。たくさん板が立てかけてあります、作業が進んでいますね

おそろいのジャンパーを着て作業しているのは、地元・上浮穴高校の生徒たち。
総合学習の一環として、2023年、初めて飾り付けに参加した。

名護谷希慧アナウンサー:
すごい数ですね

上浮穴高生:
はい、もういっぱいあります。今まで見る側だったので、やっぱり準備してみることで大変さが分かったりしました。

上浮穴高生:
手作業でするんは大変やけど、並んだ時に見てもらって、すごーいとか言ってもらえるなら、やってて楽しいです

飾り台を作ったのも高校生たち。

名護谷希慧アナウンサー:
まわりも人形すごいですよね。どうです。ご覧になって

上浮穴高生:
正直、最初怖いとか思ってたんですけど、こうやってずっと見よったらかわいいなって思う

高校生と作業していた地元の人:
楽しいですよ。これがひとつの楽しみになって、高校生の子らも県外出る子もおるかもわからんけど、この時期になって帰ってきて「あんなこともしよったけん、手伝って帰ったげようかな」って、いい方にね、これがいってくれたらいいと思ってます。期待してます

地元の人たちがそれぞれに思いを込め、趣向を凝らした無数のひな人形が温かく出迎える「くままちひなまつり」は、4月3日まで行われている。

(テレビ愛媛)

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