SNS上でいま、ある芸術作品が話題となっている。その作品とは?お皿、たまごに、カンナくず?実はこれ大学の”課題レポート”なのだ。
課題は“手紙”でしたが、“お皿”が来てしまった?
課題を出したのは、京都市立芸術大学の田島達也教授。日本絵画史が専門で、普段の授業では昔の画家が残した手紙や日記を解説している。
京都市立芸術大学 田島達也教授:
(レポートの)形式は手紙にしてください。別に作品作って出してくれと言ってるわけじゃなくて、普通の手紙でいいですよ
当初は紙に書いた“普通の手紙”が提出されていましたが、おととし、
京都市立芸術大学 田島達也教授:
こういうのが来てしまいまして…普通にお皿ですよね

これはどう見てもお皿。しかし、手紙になっているのだ。
京都市立芸術大学 田島達也教授:
「拝啓、身も凍えるような寒さですが、お身体の方ははいかがでしょうか」と。これが来てしまって、この授業の方向性がおかしなことになっていったんですよね

去年届いたという手紙は木簡。万葉仮名がつづられている。
今年は、たまごが届いた。手紙は?って思ったら、ここに穴が開いていまして、なんと中から小さな手紙が…。

ヒノキを削ったカンナくずや、包装用のクッション材にも手紙が。
ついに読めない手紙が来てしまった
そして…古代エジプトの紙“パピルス”に書かれた、象形文字“ヒエログリフ”だ。

京都市立芸術大学 田島達也教授:
毎年いろいろ難解な手紙が来るんですけど、ついに読めない手紙が来てしまった
提出したのは、デザインが専門の大西由羽さん(25)。

京都市立芸術大学 大学院 大西由羽さん:
1行目が「た、じ、ま、た、つ、や、せ、ん、せ、い」。ローマ字の表記に近くて、2文字で「た」となって、この鳥が「A」の形なので。これ書くのは4~5時間ぐらいで、先生これ見てどんな顔するかなと想像したり。昔の人の心にも触れるみたいな感じで、私もすごく学びになりました
ツイッターで紹介すると、1万3000を超える“いいね”
田島教授がツイッターで紹介した作品には1万3000を超える“いいね”が。

京都市立芸術大学 田島達也教授:
現代の若い作家が何を考えていたのか、残していたら未来の資料になるかもしれない

京都市立芸術大学 田島達也教授:
こんな面白い人たちがいるんですよ、というのを伝えることができたのはよかった。社会の中にいろんな形で、芸術を楽しむ文化が浸透してほしい
いずれは展覧会など、広く見てもらう機会を設けたいと話していた。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年2月23日放送)