熊本空港の新旅客ターミナルビルが3月に開業する。新しい滞在型ゲートラウンジや、最新の技術を採用した新ビル、そして国内の空港では珍しいという、滑走路にせり出した「花道型」の展望デッキの魅力を取材した。

新しいターミナルビル

熊本地震からの復興のシンボルとして建設される新しい旅客ターミナルビルは、国内線と国際線が一体化。

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外観は、熊本城の黒漆喰(しっくい)をモチーフにした、陰影あるデザインとなっている。

熊本国際空港 新原昇平社長:
正直言って、とにかくオープンの日まではハラハラしながら、無事にお客さまをお迎えできるか楽しみ半分、心配半分というそんな気持ちです

古閑康弘記者:
新しいターミナルビルに入ります。天井も高く、かなりの広さを感じます

1階にあるのは航空会社のカウンター。

向かって右側の黒で統一されているのが国内線。

左側が白で統一された国際線だ。

国際線の荷物預け機は、最先端のセルフバゲージドロップ。地方空港では初めてスムーズに早くチェックインできるシステムが導入されている。

また、入り口の天井に入っている焼き印は、なんと東京オリンピックの選手村で使われたレガシー材なのだ。

熊本国際空港 宮嶋治美さん:
熊本県から東京オリンピックに提供されていたんですが、その木材がレガシー材として熊本県に戻ってくると伺ったので、当社の環境に配慮した取り組みと合致したところもあり採用しました

1階の国内線カウンター奥には、食事処やコーヒーショップができ、送りに来た家族などとのひと時を過ごせる。

また、別棟の商業棟は2024年に開業予定で、今後、さらに多くの店舗が整備される。

2階は到着の通路などとなっているため、旅行客は長いエスカレーターで3階に向かう。

保安検査後の店舗エリアが充実

保安検査場のある3階の天井には、熊本県産の木材がふんだんに使われていて、さらに熊本地震の教訓から高い耐震性を備えている。

保安検査場では「スマートレーン」といわれる最新の機械が導入され、一度に複数の人が利用できることで、待ち時間が短縮できる。

その保安検査場を通ると、今回のターミナルビルの一番の特徴である滞在型ゲートラウンジだ。

古閑康弘記者:
これまでは、保安検査場を通ると軽食とお土産屋さんだけというエリアでしたが、今後は保安検査後も広いゲートラウンジで買い物や飲食を楽しむことができます

保安検査後の店舗エリアは、旧ターミナルビルの約50倍の2,500平方メートルとなり、食事や買い物などが楽しめる店舗は25店舗。

赤牛や馬刺し、ラーメンなど熊本の特産に加え、上天草の人気すし店や益城町で人気のお茶を堪能できる店舗も入店する。

熊本国際空港 宮嶋治美さん:
店舗がたくさんあるのもそうなんですが、保安検査後の搭乗待合エリアになるので、出発時間ギリギリまでグルメやショッピングを楽しめるところがウリです

「楽しんで旅行に出発してもらいたい」

古閑康弘記者:
滞在型ゲートラウンジの上のスペースに来ました。こちらからはラウンジの様子を見ることができ、ギリギリまで旅行客を見送ることができます

実は、展望デッキに通じる通路で、ラウンジのエリアを一望できる。

熊本国際空港 宮嶋治美さん:
通常は検査場の前で見送るのが一般的で、そこでお別れということが多いですが、(一緒の)時間をたくさん共有していただきたいと思っているので、ギリギリまでここでお見送りをしていただければいいなと思っています

その通路を過ぎると見えてきたのは展望デッキだ。滑走路にせり出した「花道型」の展望デッキは、以前よりもより近くから飛行機を眺めることができ、夜にはライトアップされる。

熊本国際空港 新原昇平社長:
今できあがっている所でいうと(気に入っているのは)4階の展望デッキ。これはなかなか国内の空港ではないと思いますので、ぜひ、ご覧いただきたい場所だと思います

また、国際線では免税店のエリアが約10倍の広さになり、地方空港としては有数の規模となる。

熊本国際空港 新原昇平社長:
とにかくこの空港を使って、空港は一つの出発点になりますので、そこで我々が提供するスペースで楽しんで旅行に出発してもらいたいと思いますし、安心してこのビルを活用されて、これからコロナも収束していく中で、ぜひ旅行や仕事でどんどん空港を使ってもらいたいと思います

新旅客ターミナルビル開業まで1カ月。熊本の新たな空の玄関口へ期待が高まる。

(テレビ熊本)

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