政府は、機密情報を取り扱う人の信頼性を事前に確認する「セキュリティクリアランス」の法制化に向け、有識者による会議の初会合を22日に開いた。
「セキュリティクリアランス」は、安全保障上の機密情報の共有が必要とされる外国との共同研究などを受注する際、研究者などに事前に求められる適性評価のこと。
有識者会議の初会合で、高市経済安保相は「先進諸国では、経済に関する事項を含む重要情報を取り扱うものにセキュリティクリアランスを付与する制度がある」と説明した上で、「日本では同様の制度となっていない」と指摘。
そして、「海外における政府調達や民間企業間の取引において、日本企業が不利な状況に直面するケースがある」と述べ、「セキュリティクリアランス」制度の必要性を強調した。
さらに、「日本の企業の従業員にセキュリティクリアランスがないために、ビジネスに必要な重要情報を得られないといった例も聞いている」とした上で、「日本企業がビジネスチャンスを失ったり、共同研究から外されたりするようなことはあってはならない」と強調した。
「セキュリティクリアランス」制度を巡っては、14日の政府の経済安全保障推進会議で、岸田首相が「制度のニーズや論点などを専門的な見知から検討する有識者会議を立ち上げ、今後1年程度をめどに可能な限り速やかに検討作業を進める」方針を明らかにしている。