サウナブーム×SDGsの掛け算で、廃棄フルーツから誕生したサウナアロマがある。
廃棄フルーツから誕生した“環境に優しい”サウナアロマ
東京・下北沢で3月21日まで開催中のサウナイベント「SAUNALAND UNDER NORTH HEAVEN」。

テントサウナで4種類のアロマを楽しむことができるが、実は特殊な材料が使用されている。


今湊敬樹キャスター:
サウナアロマ、投入したいと思います。中に3滴ほど入れて、ストーブにかけます。

今湊敬樹キャスター:
ん、ほのかにオレンジの香りがしてきました。いい香りです。

オレンジやグレープフルーツなど、廃棄フルーツから誕生した、環境に優しいサウナアロマになっている。

見た目に傷がついたり、天候の影響で収穫時期がずれたフルーツから香りの元となる油を精製。

色々な香料と組み合わせることで上質な天然の香りのアロマを作り出した。

今湊敬樹キャスター:
非常にリラックス効果がありますね。柑橘系のオレンジの香りもするんですけど、ほのかにヒノキのような良い木の香りもしてきました。日頃仕事をしていると、こういう香りを嗅ぐことがないので、リフレッシュできる、そんな気分が味わえます。

今湊敬樹キャスター:
仕上げの水風呂に入ります。気持ち良いです。
「廃棄フルーツの問題をより身近に」
これまで、サウナアロマは香りが定番化している、海外製の安価なものが主流だったが、今回は
廃棄フルーツを使用。

環境にも優しく、天然の香りで”心と体のととのい”にさらなる深みを与えてくれる。

イベントの運営者は、サウナアロマの使用を通して「廃棄フルーツの問題をより身近に感じてほしい」と話す。

MINAI inc. CEO・ミナイマサシさん:
廃棄になるフルーツからでも香りは取り出せるということが分かったので、意味あるもので色んな人と人をつなげるものだったり、学びの機会に触れることが少ない方が多い可能性もあるので、そういった方により知ってもらう。


MINAI inc. CEO・ミナイマサシさん:
若い人が多いということは、これからの世代を担っていくことも多いと思うので、身近なところから「そうなんだ」という機会をこの下北沢という場所で、身近に感じてもらえたらうれしいなと。
日本独自の文化形成“第3次サウナブーム”
「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
内田嶺衣奈 キャスター:
廃棄フルーツから生まれるナチュラルな香りが自慢のサウナ、いかがですか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
廃棄フルーツとサウナアロマの組合せはココロとカラダの「ととのい」に深みを与える。
天然の上質なアロマを使ったロウリュ。ストーブで温めたサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる入浴法を行うと、サウナ室全体に蒸気が行き渡り、全身が心地よい香りに包まれると人気になっている。
今回、さらに踏み込んで廃棄フルーツを使った。天然のアロマの香りは、リラックスを促すとともに、地球への優しさにもつながり精神的な豊かさにも寄り添えるのではないか。
内田嶺衣奈 キャスター:
私のまわりでもサウナが好きという方、多いです。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
第3次ブームを迎えたサウナは、継続的に利用していたシニアに加え、流行への感度が高い若者から火がついた。
そこにビジネスパーソンや女性も参入し、幅広い層がサウナを利用するようになり、多様なニーズに対応する施設やサービスが増えており、日本独自のサウナ文化を形成している。
サウナ発祥のフィンランドには水風呂が基本なく、湖や雪にダイブするか、外に出て水分を取るというスタイルが一般的。
一方、銭湯文化の影響なのか。日本では水風呂が基本になっている。
また、最近の傾向としては「ととのい」をアシストするものが支持されている。
例えば、汗で失われた水分の補給にミネラルやビタミンも加えようと、スポーツドリンクと栄養ドリンクを自分でブレンドする”サウナドリンク”も定番化した。
サウナアロマの楽しみ方のバリエーションも日本で増えていく可能性がある。
”廃棄フルーツ”活用の標準化に期待
内田嶺衣奈 キャスター:
サウナで廃棄フルーツを活用する今回の試みもこれから定着していくといいですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
現在、多くのサウナシーンで使用されるアロマは価格の安い海外製のものが定番化している。
今回の取り組みは、味や香りはまったく問題がないのに見た目で規格外とされ、市場には出荷できないものを使用している。
農家さんが大切に育てた果物から生まれる天然の香りが日本式のサウナとして、標準化していくことを期待したい。
内田嶺衣奈 キャスター:
規格外のフルーツ。これまでの美味しさに加えて、香りに着目した活用方法も選択肢の一つとして広まっていけばいいと思います。
(「Live News α」2月21日放送分より)