あと1カ月半で新年度が始まり、進学や就職で初めて一人暮らしをする人もいるかもしれない。

そんな春の引っ越しシーズンを前に、不動産情報サービスのアットホーム株式会社が、プロが選んだ「一人暮らしで妥協できる住まいの条件・設備」ランキングをまとめ、条件1位が「築年数」、設備1位が「追焚き機能付きバス」だったと発表した。

これは賃貸仲介を主業務としている全国のアットホーム加盟店を対象にアンケート調査を行ったもの。全623サンプルを分析し、「条件」と「設備」のそれぞれのランキングをまとめた。

妥協しても問題ない「条件」トップ3は?

まず、妥協しても問題ないと思う「条件」のトップ3は以下の通り。

第1位、築年数 :20.5%
第2位、外観のデザイン:15.9%
第3位、建物構造(RC 造、SRC 造、木造など): 10.6%

1位の「築年数」がなぜ妥協しても問題ないのかというと、「築年数が古くても、管理体制やリフォームなどできれいな物件はあるから」「古くても耐震補強をしているところが増えた」からだという。

2位の「外観のデザイン」については、「あまり生活に支障がない」というコメントのほか、「セキュリティーや住みやすさを優先したほうがいい」という声もあったそうだ。

3位の「建物構造(RC造、SRC造、木造など)」には、「最近の建物は木造でも耐震性能や防音性能が良くなっており、鉄筋、鉄骨、木造の違いがなくなっている」という意見が出ていたという。

【調査結果】一人暮らしで妥協できる住まいの条件ランキング(出典:アットホーム)
【調査結果】一人暮らしで妥協できる住まいの条件ランキング(出典:アットホーム)
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問題ないと思う「設備」のトップ3

続いて、問題ないと思う「設備」のトップ3は次のようになっている。

第1位、追焚き機能付きバス:22.2%
第2位、IH クッキングヒーター:9.8%
第3位、シューズボックス: 8.3%

2位にダブルスコアを付けてトップに立った「追焚き機能付きバス」については、不動産会社から「シャワーのみの人が増えていると思う」「一人暮らしなので追焚き機能は不要」と言ったコメントが寄せられていたそうだ。

2位の「IHクッキングヒーター」については、「ガスでも調理はできるから」といったコメントが多数。

3位の「シューズボックス」は、「単身であれば一般的には大型の靴箱やシューズクローゼットが必要なほど靴を持っていないと思う」「シューズラックなどで工夫はできる」といった声が上がったという。

【調査結果】一人暮らしで妥協できる住まいの設備ランキング(出典:アットホーム)
【調査結果】一人暮らしで妥協できる住まいの設備ランキング(出典:アットホーム)

「築年数は妥協してもいいか…」内見で変わるケースも

たしかに、生活を始めてみれば意外と必要なさそうな条件や設備がランクインしているようにも思う。では、反対に不動産のプロが考える「妥協しない方がいいポイント」はどこなのか?

気になる点をアットホームの担当者に聞いてみた。


――今回の調査結果の感想を教えて。

「妥協しても問題ないか」というのは本来、住まいを探す方一人ひとり価値観が異なるため一概には言えませんが、例えば、設備編1位の「追焚き機能付きバス」を妥協しても問題ない理由として「シャワーのみの人が増えていると思う」「一人暮らしなので追焚き機能は不要」を挙げているのには納得でした。


――実際、「築年数」にこだわった人も物件を見たら妥協するような事はあるの?

あると思います。リフォームされている物件やきちんと管理されている物件で、妥協しても意外と問題なかった、という声もあります。住んだ後に自分がこまめに掃除すれば問題ないという方もいました。


――逆に妥協しない方がいいことはなに?

妥協しない方が良いことは、住む方のライフスタイルによって異なります。まず、自分のライフスタイル(ex.テレワーク中心or帰宅が遅くなりがち)を不動産会社の方に伝え、優先順位を決めて住まいを探されることをおすすめします。

例えば、
・テレワークが中心の方:駅徒歩分数は妥協できるけど、ワークスペースは妥協しない方が良い
・帰宅が遅くなりがちな方:広さは妥協できるけど、駅近は妥協しない方が良い
となり、その人のライフスタイルによって妥協しない方が良いことが異なります。

少し切り口が変わりますが、当社が過去に調査した不動産のプロが選ぶ!「初めての一人暮らしで気を付けるべきポイント」ランキングでは、1位「無理のない初期費用・家賃設定か」、2位「希望条件にこだわりすぎていないか」、3位「学校や職場に通いやすいか」、4位「治安状況を確認」が上位にランクインしました。

(画像はイメージ)
(画像はイメージ)

ちなみに、こちらの調査結果を見たところ、「内見で気をつけるべきポイント」も集計しており、ランキングは、1位「スマートフォンや携帯電話の電波が入るか 」、2位「近くに大きな音が出る建物や道路はないか」、3位「ゴミ置き場のキレイさ」、4位「コンセントの位置」、5位「日当たりの良さ」だった。

この春、初めての一人暮らしをする人は、これらの情報を参考にして自分にあった部屋を見つけてほしい。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。