首都圏などで相次いでいた一連の強盗事件をめぐって、フィリピンの入管施設に収容されていた指示役とみられる男2人について、さきほど、日本への移送が始まった。

2人は、午後10時半ごろ、入管施設で現地当局の車両に乗せられ、空港に向かったものとみられている。その後、日本に向かう航空機の中で逮捕される見通しだ。

この記事の画像（6枚）

窃盗の疑いで逮捕されるのは、渡辺優樹容疑者(38）、小島智信容疑者(45）。2人は、きのう、日本に強制送還され逮捕された、今村磨人容疑者(38）と藤田聖也容疑者(38)とともに、フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループの幹部だったとされる。一連の強盗事件にも指示役として関与したとみられている。

警視庁によると、渡辺容疑者と小島容疑者は、2019年11月、金融庁職員などを装う特殊詐欺の手口で、足立区の当時76歳の男性から、キャッシュカード2枚を盗んだ疑いがもたれている。当時、フィリピンの拠点から、日本国内の実行犯らに指示をしたとされている。

2人は、藤田容疑者、今村容疑者とともに、フィリピンのアジトで、「かけ子」らに指示し、日本国内の高齢者らに詐欺の電話をかけていたという。このアジトは、2019年、フィリピン当局に摘発され、「かけ子」ら36人が日本に強制送還され、逮捕された。

渡辺容疑者ら4人は、摘発から逃れたものの、その後、フィリピンの入管施設に収容されていた。その施設内で、「ルフィ」などと称して、一連の強盗事件にも、指示役として関与した可能性があるという。

4人のうち今村容疑者と藤田容疑者は、きのう、フィリピンから強制送還され、移送中の機内で逮捕された。渡辺容疑者と小島容疑者についても、きのう、現地の刑事裁判が終了。強制送還されることになったという。

4人が関与した特殊詐欺事件は、被害総額が少なくとも60億円にのぼるとみられている。警視庁は、日本に移送後、特殊詐欺事件の取り調べを本格化させるとともに、一連の強盗事件への関与も追及する方針だ。

国際取材部

世界では今何が起きているのか――ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、モスクワ、イスタンブール、北京、上海、ソウル、バンコクのFNN11支局を拠点に、国際情勢や各国の事件・事故、政治、経済、社会問題から文化・エンタメまで海外の最新ニュースをお届けします。

社会部

今、起きている事件、事故から社会問題まで、幅広い分野に渡って、正確かつ分かりやすく、時に深く掘り下げ、読者に伝えることをモットーとしております。
事件、事故、裁判から、医療、年金、運輸･交通･国土、教育、科学、宇宙、災害・防災など、幅広い分野をフォロー。天皇陛下など皇室の動向、都政から首都圏自治体の行政も担当。社会問題、調査報道については、分野の垣根を越えて取材に取り組んでいます。