2月10日から開幕する四大陸フィギュアスケート選手権。
8日(日本時間)に会場となるアメリカ・コロラドスプリングスで、ペアの三浦璃来・木原龍一組が公式練習に参加。
その後、3年ぶりに出場する四大陸選手権に向けての意気込みと“ご褒美”について語ってくれた。
3年ぶりの四大陸「良いところを出せるように」
拠点としているカナダから現地入りした三浦・木原組。
全日本から四大陸選手権に向けては細かい部分の修正を重ね、3月の世界選手権も見据えて新たな技を組み込んだりしていたという。

今回の会場は高地にあるため、三浦は「私は思い込みが激しい方なので、『つらい、苦しい』という思いで滑っていたんですけど、(木原から)『酸素あるから大丈夫だよ』と言われて。ちょっと考え方を変えることにしました」と明かす。
木原も「思い込みはよくないね。(僕は)単純なので『空気がある』と思えばそんなにキツくない。璃来ちゃんも『キツい、キツい』って言いながらしっかりついてきていたので、多分思い込み」と話した。
8位だった2020年の四大陸以来となる今大会。
三浦は「自分たちのできること、良いところを出せるように頑張りたい」と意気込む。
木原も「スコアはあまり高望みせずに、0.1点とか0.2点が積み重なれば、いずれはその目標に届くと思うので、前回の自分たちより1点でも勝てるように」と目標を掲げた。

今シーズンの目標として定めている「フリー145点」について聞くと、「言ったっけ?」と木原に確認する三浦。
「ちょっと記憶にないですけど」と苦笑する三浦に、木原は「確かに145点は出せてないから出したいです」と気を引き締めた。
この目標を達成したあかつきに、木原は「2人で制限なく食べ続けたい」と“ご褒美”について話す。
以前三浦は、まだ食べたことがないコストコのティラミスがご褒美だったようだが、「イタリアで本場のティラミスを食べちゃって、今迷っているんです」と打ち明けると、木原は「そういうこと言うのやめなさい」とツッコむなど、息の合ったトークをみせた。
全日本で書いた2人のメッセージ
2022年の北京五輪で日本カップル最高の7位入賞を果たしたペア日本代表の“りくりゅう”こと三浦・木原組。
五輪後の世界選手権では、銀メダルを獲得して表彰台にものぼり、一躍世界上位のグループ入りをした。
今シーズンは4年後に向けて「挑戦の年」と位置づけた。
初戦のGPスケートカナダでグランプリシリーズ初めてとなる優勝を果たすと、続くNHK杯ではショートプログラムで一つの目標としていた75点超えを達成。GPファイナルでも優勝するなど、今シーズンは出場したすべての大会で優勝している。
そんな勢いの止まらない2人は、2022年末の全日本選手権に向けても準備をしていたが、フライトの大幅遅延とロストバゲージのため、欠場という苦渋の決断をした。

3年ぶりの出場だっただけに木原は会見で「全日本にかける思いは2人とも強くて、全日本選手権優勝というのが、今年(2022年)の目標だったので達成できなかった。僕たちの中で本当に大切な試合だったのでものすごく悲しい」と肩を落とした。
三浦も悔しさをにじませながら「出場することができなくて残念。また次にファンのみなさまの前で滑ることを目標にこれからも頑張っていきたい」と前を向いた。

全日本に出場できなかった2人は、キスアンドクライに設置される各選手の思いが書かれたボードに「みなさんがベストな演技ができますように」と、出場する選手たちを応援するメッセージをしたためた。

その全日本を終えた後、2人に話を聞くと全日程を観戦したという木原は「ものすごくうらやましく思えて、出られなかった悔しさが残りました」とこぼし、三浦もうなずいた。
全日本は欠場となったが、四大陸や世界選手権も2人が目標にしている大会。まずは目前の四大陸に向けて、三浦は「四大陸で良い滑りをしたことがないので、自分たちの良い演技ができたらいいなと思います」と語った。
“あうんの呼吸”でビッグタイトル目指す
2019年のペア結成直後から、カナダ・トロントに渡り、きずなを深めてきた2人。
持ち味のスピードを活かした「スロージャンプ」は“りくりゅう”の大きな武器でもある。
数多くの世界チャンピオンを育ててきた恩師ブルーノ・マルコットコーチは「結果が出ても驚かないのはそれが練習の成果だから。彼らには喜びと自信、そして大きなカリスマ性があります。大幅によくなっていますし、なお進化し続けているのはエキサイティングなことです」と太鼓判を押した。

アクロバティックな要素の多いペア競技、最も重要なのは「2人の呼吸」になる。コロナ禍の苦しい時間に磨いた2人の“あうんの呼吸”こそ、好成績の礎なのだ。
インタビューの際も、トークの呼吸がバッチリな“りくりゅう”。四大陸、そして世界選手権とさらなるビッグタイトルへ向けて期待がつのる。
四大陸選手権には、男子は島田高志郎、佐藤駿、三浦佳生、女子は渡辺倫果、吉田陽菜、千葉百音、ペアは三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは村元哉中・高橋大輔組、小松原美里・小松原尊組が出場する。
四大陸フィギュアスケート選手権2023
フジテレビ(※関東地区ほか)にて3夜連続放送
■男女ショート
2月10日(金)深夜1時35分~3時35分
■ペアショート&リズムダンス&女子フリー
2月11日(土)深夜1時45分~3時45分
■ペアフリー&男子フリー
2月12日(日)深夜0時30分~2時30分
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/four-continents/index.html