2019年2月、なでしこリーグ2部のスフィーダ世田谷FCに所属するプロサッカー選手の下山田志帆さんは、日本の現役プロスポーツ選手として初めて、同性のパートナーがいることを公表した。

国際オリンピック委員会(IOC)は、2014年のオリンピック憲章に、「性的指向による差別の撤廃」を明記し、翌年のリオデジャネイロ五輪では、50人以上のアスリートがLGBTQであることを表明した。

しかし、日本ではまだ稀なケース。カミングアウトに至る過程で、下山田さんが感じ続けた日本スポーツ界特有の“生きづらさ”とは何か…。

「女性らしいだけが女性アスリートではない」

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下山田さんは「“女性スポーツ界のアスリートってこうだよね”と決めつけで与えられるものが多かったりすると思っていて、排除されてしまうアスリートがいると思うんです」と語る。

公の場では、スカートにパンプスなど服装の決まりごとがあり、コーチから女性らしい髪型や言葉遣いを指摘されることもあった。

それに対して「NO」と言えない生きづらさが日本のスポーツ界にはあり、ドイツのチームにいたときに改めて感じたという。

下山田さんはLGBTの当事者として、多様性を受け入れる意識改革がスポーツ界にも必要と考えている。

ある講演会で下山田さんは「指導者に『その言葉遣い、女らしくしろよ』とか言われて、選手たちが指導者との関係、自分自身の体のことですごく悩んでいる」と明かした。

講演会で話を聞いたサッカー関係者は「チームの中にLGBTの方がいても多様性を認めていかなければいけないのかな」と感じたという。

下山田さんは「女性らしいだけが女性アスリートではない。もっと自分らしくいてもいいんだよって、自分らしさを武器にしてスポーツができる環境を作っていきたいと思います」と語った。

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