建築業界で、最も権威がある賞のひとつとされる、アメリカのプリツカー賞を受賞した建築家の坂 茂(ばん・しげる)さん。

「建築は世の中の役に立っていないのではないか?」という坂さんの思いから生まれた
「紙の建築」とは、一体どんなものなのか?大学生との共同制作の現場を取材した。

プライバシーを守るための住環境づくり

「人権としてプライバシーは最低限の権利だと思います。災害で家を失った人たちの住環境を改善することも僕たちの仕事じゃないかな」と語る坂さん。

美しいドーム型天井の梁は、ハチの巣状の紙素材(ペーパーハニカムコア)をベニヤ板で挟んで構成している。強度は木材と変わらず、軽量なので工期を短縮でき、しかも安価というメリットがある。

新しい建築材として紙を使う方法を長年研究してきた坂さんは、1994年にルワンダの内戦で紙製のパイプを使った「難民シェルター」を作り、多くの難民を救った。

使っているのは「紙管」と言われる紙製のパイプ。再生紙を巻いて作る食品用ラップフィルムの芯と同じものだという。

軽くて丈夫な紙管は、誰でも簡単に組み立てることができ、布を垂らせば、あっという間にプライベートの空間が出来上がる。

坂さんはこれを2011年の東日本大震災の避難所や2018年の西日本豪雨の避難所など、国内外の被災地や紛争地に届け続けた。

その背中を追うのが、慶應義塾大学の坂茂研究会の学生たち。彼らも新たな紙の可能性を探求している。

坂茂研究会の学生は「社会にどう役立つものを作るか、そういった考えに惹かれている」や「坂さんのやってこられたことを延長する形で今後、社会に役立てたい」と明かした。

そして坂さんは「世界中で災害がどんどん大きくなっています。いろいろなところに行って、次のリーダーを育てたいです」と期待を込めた。

坂茂建築設計
http://www.shigerubanarchitects.com/

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