全国で相次ぐ強盗事件で、指示役の“ルフィ”とみられ、フィリピンで収容されている渡辺優樹容疑者(38)ら4人。

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うち、今村磨人容疑者(38)と藤田聖也容疑者(38)の2人については日本への身柄の引き渡しが可能になっている一方で、渡辺容疑者と小島容疑者については、6日に開かれた審理の結果次第で引き渡しが決まることになっていたが、結論は出なかった。

そんな中、にわかに注目が集まっているのが、渡辺容疑者らの弁護士だ。

裁判に遅刻の弁護士「裁判はでっち上げではない、彼らにとって不公平」

主犯格の渡辺容疑者は、女性や子どもへの暴力で告訴されている。つまり、この訴訟が棄却されるなど、審理を終えるまで本来は日本に送還できない。

そのため、一部では「送還を逃れるための告訴」、つまり裁判自体がでっち上げなのではないか、と指摘されている。

2日、その裁判に渡辺容疑者の弁護士が出廷した。

ネット上では「弁護士がニコニコしながら取材を受けてた、勝てる見込みがあるのか」「現地弁護士は手ごわいだろうな」などと、話題になったのだ。

フィリピン・マニラの現地で2日、撮影された映像を見てみると、その弁護士、エルジュン・リコ氏は鮮やかな青いスーツに身を包んでいた。報道陣にもみくちゃにされている。

この日、裁判に遅刻したリコ氏。理由は「車の渋滞」と説明し、急いで裁判所に入ろうとしていたのだ。

ーー容疑者はこれから来る?
渡辺容疑者の弁護士 エルジュン・リコ氏:

すでに法廷内のリモート画面で、スタンバイしていると思う。

渡辺容疑者らは裁判所には現れず、この日はリモートで出廷したということだった。

その渡辺容疑者については、リコ氏は「映像を見る限り元気そうでした」「(強制送還について)非常にストレスになっており、戸惑っている」と説明。

そして集まった報道陣に対して、リコ氏は「裁判はでっち上げではない」と訴えた。

ーー虚偽の報告ですか?
渡辺容疑者の弁護士 エルジュン・リコ氏:
私個人としては、そうではないと思う。彼らにとって不公平な話です。

華やかなSNS…何者? フィリピンで弁護士は“スーパーエリート”

このエルジュン・リコ氏、そもそもどんな人なのか?
刑事訴訟が専門の40代弁護士で、日本人の弁護は初めてだといういう。

リコ氏のものとみられるSNSにアップされた写真には、椅子に座り、足を組む笑顔のリコ氏が映っている。後ろには「RICO LAW(リコ・ロー)」と書かれていて、自身の弁護士事務所の前で撮影された写真だという。

ほかにも、オレンジ色の高級スポーツカーの前で笑顔を見せる写真や、スーツ姿で黄色のスクーターにまたがる写真もあった。

フィリピンの法務事情に詳しい野田隼人弁護士に聞いたところ、フィリピンで弁護士になるには莫大な費用がかかるため、もともと大金持ちの家庭の子供しかなれないという。また、大統領や政治家にも弁護士出身が多く、まさに“スーパーエリート”

そして、弁護士になって1年目の一般的な年収は日本円で180万円程度になるという。フィリピンの平均年収は約48万円なので3倍以上、かなり高給取りといえる。

訴えられている側なのに…

「イット!」では、明治大学教授の齋藤孝氏にも意見を聞いた。

宮司愛海 キャスター:
リコ弁護士は裁判は正当だと主張していますがいかがでしょうか。

教育学者・齋藤孝 明治大学教授:
渡辺容疑者の弁護人ですよね、ということは訴えられている側なんですよ。
棄却されればその方がいいわけなのですが、むしろ引き延ばしたいというような主張に聞こえますね。
多分棄却されてしまえばすぐ日本に送還されてしまう、だから、これはちゃんとした裁判だから長くやってくれ、と訴えられている方が言ってしまっているというおかしさがありますね。

宮司愛海 キャスター:
事件のカギを握る弁護士にも注目ですね。

(「イット!」2月3日放送分に情報を追加しています)