今まで花粉症を発症したことがない人も2023年の春は注意が必要だ。スギ花粉の飛散量が前年の2倍と予想され、耳鼻科専門医は「飛散量が多い年は初めて発症する人が多い」と指摘する。予防や症状を軽くするための対策を聞いた。

2023年の花粉は前年の2倍

2023年2月に入り花粉のシーズンがやってくる。毎年多くの人を悩ませる花粉症だが、2023年は特に注意が必要になりそうだ。

静岡県花粉症調査委員会 調べ
静岡県花粉症調査委員会 調べ
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静岡市駿河区のスギ花粉の飛散数のグラフだ。
2022年までの3年間は過去10年の平均と比べるとやや少ない年が続いていた。静岡県によると2023年は「多い」予想で、2022年の2倍程度が見込まれるとのことだ。最近4年間ではもっとも多くなりそうだ。

2023年は、もう症状が出て、病院を受診する人も増えているようだ。耳鼻科の専門医に聞いた。

東静岡耳鼻科・加藤 高志 院長
患者さんはかなりいます。1月半ばから例年 薬が必要な人は、あらかじめもらいに来る人が多いです

例年に比べて飛散量が多いからだろうか。

加藤医師「飛散量は去年の2~2.5倍」
加藤医師「飛散量は去年の2~2.5倍」

東静岡耳鼻科・加藤 高志 院長
例年比でだいたい160%から180%。昨年に比べると2~2.5倍ぐらいは飛ぶだろうという予想なので、それなりに心構えをして早めに薬をもらいに来たという人が多いですね

飛散量が多いと、花粉症でない人も注意が必要なのだろうか。

加藤医師「飛散の多い年は発症者が多い」
加藤医師「飛散の多い年は発症者が多い」

東静岡耳鼻科・加藤 高志 院長
飛散の多い年は花粉症に入門(発症)する方が多いです。「これまでなかったのに」という人も、薬で対応するしかないと思います

花粉症対策は早めに

有効な花粉症対策や、その対策をいつからすればいいのか聞いた。

加藤医師「早めに受診して早めに薬の準備を」
加藤医師「早めに受診して早めに薬の準備を」

東静岡耳鼻科・加藤 高志 院長
飲み薬がメインで、目の点眼薬、鼻の噴霧、最近はシールを張るアレルギーの薬や、重症の人の注射の薬もあります。花粉症を例年体験している人は、早めに受診して薬を早めに準備しておいたほうがいいと思います

すでに飛散開始の地域も

2023年2月1日現在 静岡県内でどのくらい花粉が飛んでいるか、県が調べた。

静岡県花粉調査委員会 調べ
静岡県花粉調査委員会 調べ

御殿場は「1.2」、その他は「1.0」未満の数字が並んでいる。
これは、1cm四方の大きさに、いくつ花粉がついているかを示したものだ。1個以上が2日続けば「飛散開始」となる。

花粉飛散数は1cm四方の付着で調べる
花粉飛散数は1cm四方の付着で調べる

一般に50個以上で非常に強い症状が出て、「非常に多い」と表現される。花粉のピーク時には1日で500個前後、1000個を超える年もある。2023年は特に注意が必要だという。

予防や症状軽減のために

加藤高志院長は、身の回りでできる花粉症対策として、次の4点をあげた。

加藤医師がすすめる花粉症対策
加藤医師がすすめる花粉症対策

・マスクやメガネをする

・花粉を払ってから家に入る

・換気は網戸や薄いカーテンを残してする

・洗濯物は外に干さない

症状がひどくなる前の早めの対策がポイントだ。しっかり対策をして花粉症のシーズンを乗り切りたい。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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