「水球」は長野県内は競技人口が少なく、女子選手は3人だけ。まだチームもつくれないが、男子と一緒に練習に励んでいる。関係者は2028年の国体開催を見据え、女子選手がもっと増えてほしいと願っている。

県内女子選手は3人…他県の高校生と練習

水中でボールを奪い合い、ゴールを狙う水球。その激しさから「水中の格闘技」とも呼ばれている。「巻き足」で浮いた状態をキープする必要があり体力も必要だ。

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2022年12月、県内の高校で唯一水球チームがある長野東高校が、群馬と山梨の高校を招いて練習試合をした。

長野東の水球チームは1976年のインターハイ、2年後の国体でプールが水球会場となったことからスタート。その後、活動は途絶えたが、インターハイ出場に向けて、3年前に復活した。

一方、招いた2校には男子だけでなく女子選手もいる。甲府東の女子チームの練習試合。

特別に長野市の小中学生も参加させてもらった。中学3年の神山小春さん、中学2年の町田このさん、そして小学6年の勝田凛さんの3人だ。実は県内の女子選手はこの3人だけ。チームをつくるには4人足りない。

3人は同じスイミングスクールに通っていて、保護者が長野市の水球クラブのコーチと知り合いだったことから誘いあって、2022年からクラブで水球を始めた。

勝田凛さん(11):
仲間と一緒にやるっていうところが楽しい

町田このさん(14):
競泳は、個人でベストタイム出せたらうれしいけど、水球はチームの人と一緒にやるので、また違う楽しさがある

いつもは男子と練習だが、この日は高校の女子選手たちに交じってのプレー。

勝田さんのブロックかわし、神山さんがシュート!

町田さんがパスをブロック!

3人を招いたのは長野東高校の顧問・堀知幸先生だ。

長野東高校・堀知幸さん:
女子同士で他県の選手と交流ができたらいいなと思いまして、来てみないかって誘ったらいい返事をいただいたので、参加してもらいました

試合の感想は…

神山小春さん(15):
初めて女子の人とやってみて楽しかったので、もっとやりたい

きょうだいで刺激し合って

一番年上の神山小春さん。実はクラブに誘われる前から水球には興味があった。

神山小春さん(15):
凛ちゃんに誘われて、お兄ちゃんもやっていたので、入りたいなと思って入りました

兄・大吉さんは、長野東高校水球チームの2年生。

兄・神山大吉さん(長野東水球チーム):
水球は人口が少ないので、水球をやる人の人口が増えるっていうのもうれしいし、それが妹っていうこともうれしいことです

兄・神山大吉さんと妹・小春さん
兄・神山大吉さんと妹・小春さん

神山小春さん(15):
(Qアドバイスは?)たまにあります。試合の休憩の時とか「もっと攻めていった方がいいよ」とか、アドバイスしてくれます

昔から仲が良く、同じことをしていたという神山きょうだい。

自宅でも大吉さんが小春さんにアドバイス。

兄・大吉さん:
ボールが飛んできた時に、手を添えて、引いて、音が鳴らないように

この春、中学を卒業する小春さん。高校の志望を聞くと…。

神山小春さん(15):
長野東高校に行きたいなって思っています。水球を県内唯一やってる高校なので、入りたいなって思う

兄・大吉さん:
やっぱりうれしいことですね。まだ初心者なので、俺自身が教えて育てて、強くしていけたらなって思います

両親は2人に好きなことに打ち込んでほしいと話している。

神山さん家族
神山さん家族

母・美恵子さん:
勝気な性格というか、その負けず嫌いみたいなところが、もしかしたら合ってるのかな

父・隆弘さん:
これだけ仲がいいので、うらやましがられるきょうだいを目指してもらいたい

2028年の地元国体を見据えて強化

水球の県内の競技人口は30人から40人。関係者の最大の課題は選手を増やすことだ。県水泳連盟の水球委員長でもある堀先生は、5年後、県内で開催される国体を念頭に置いている。

長野東高校・堀知幸さん:
2028年の国体には男女両方エントリーしなければならないというのは、一つの最低目標。男女の選手をそろえて強化していくというのは、一つの目標になっています

長野市の女子選手3人は貴重な存在。小春さんも高校生になったらチームメイトを探したいとしている。

神山小春さん(15):
(高校では)水泳やったことある人とかに、仲良くなったら声かけようかなって思っています

女子チーム誕生成るか。関係者は今後に期待している。

長野東高校・堀知幸さん:
この3人にとどまらず、つながっていってもらえたら、7人と言わず14人とか、2チーム分ぐらいあると、毎回ゲームができて励みになる

(長野放送)

長野放送
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