中国の大型連休「春節」が始まった。2023年は新型コロナによる行動制限のない春節を迎えていて、福岡県でも「爆買い」復活が期待される。しかし、取材をしてみると「中国人観光客はほとんどいない」という声が聞こえてきた。なぜなのだろうか?
中国 「春節」で21億人が大移動か
2023年1月21日、福岡アジア美術館では、アジアのお正月「春節」を祝うイベントに、福岡を拠点に活動する黒龍舞術団が登場。中国の伝統芸能を進化させた圧巻のパフォーマンスを披露した。
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子どもにも異国文化を味わってほしいと思ったので、きょうは一緒に楽しめてよかった
1月21日から春節の大型連休に入った中国。厳しい行動制限をともなう「ゼロコロナ政策」が撤廃され、2023年は、延べ21億人が大移動するとみられている。
中国人による、いわゆる「爆買い」復活に期待が高まる中、千葉県の成田空港には早速、中国からの観光客が到着していた。旅の予算を聞いてみると―。
中国人観光客:
旅の予算は日本円で500万円くらい。いま現金で120万円持っています
水際対策緩和で外国人観光客の姿が
では、福岡でも中国人観光客による「爆買い」が復活しているのか?福岡市博多区の大型商業施設「キャナルシティ博多」で外国人観光客に声をかけてみた。
ーーどこから?
韓国人観光客:
韓国から来ました。買い物をして、おいしいものをたくさん食べました
ーーなぜ今?
韓国人観光客:
旧正月なので来ました。別府の温泉に1日行って、博多で買い物をして、ご飯食べて楽しみました。もつ鍋、ラーメン、そば
ーーどこから?
台湾人観光客:
台湾から来ました。円が安いから、もっと日本でお金を使いたいです
声をかけた外国人は全て、韓国や台湾、東南アジアからの観光客。アジアには、中国と同様に旧正月を祝って連休をとる国も多く、日本の水際対策が緩和されたこともあって、多くの外国人観光客が訪れている。
「キャナルシティ博多」広報・梅津里紗さん:
韓国のお客さまを中心に、広くアジアのお客さまにご利用いただけるようになっております。(これまで)やはり中国人のご利用シェアが大きかったので、戻ってこられるとコロナ前の水準に及んでくるのかなと思います
インバウンド需要の完全復活のカギを握るのは、いわゆる「爆買い」の代表的な存在、中国人観光客だ。
キャナルシティ博多ではコロナ前、中国人観光客の買い物が総売り上げの3割ほどを占めていた。キャナルシティ博多でも中国人観光客の復活に期待していたが…
「キャナルシティ博多」広報・梅津里紗さん:
中国人観光客の方は、ほとんどいませんね
中国 - 福岡空港への直行便が運休続く
福岡にはほとんど来ていない中国人観光客。なぜ、福岡には中国人観光客は来ていないのか。福岡市博多区で中国人向けのツアーを取り扱っている旅行会社を訪ねると―。
日中友好旅行社・高尾淑江社長:
(中国からのツアーの予約は)ひとつも入ってないです。ツアーの方は、ツアーのビザがまだ取れないので。個人の観光ビザはやっと取れるようになったんですけど
中国政府は、まだ日本などへの団体旅行を認めておらず、年収1,000万円以上の高所得の個人に限りビザを発給しているという。さらに-
日中友好旅行社・高尾淑江社長:
今のところ、中国から福岡のほうに直行便がない。大阪とか東京を経由しないと来れない。だから、すごく来にくいんですね。
中国で新型コロナの感染が急拡大していることを受け、日本政府は水際対策として、中国からの直行便の発着を成田・羽田・関西・中部の4つの空港に限定していて、福岡空港への直行便は運休が続いている。
日中友好旅行社・高尾淑江社長:
直行便が飛んでくれれば中国人観光客の回復になるんじゃないか。ゴールデンウィークくらいじゃないかと思います。早く戻ってきてほしいです
春節の大型連休で期待された福岡への中国人観光客。本格的な復活にはまだ時間がかかりそうだ。
(テレビ西日本)