寒波の襲来で特に注意したいのが、気温が一気に下がり水道管の凍結による“破裂”だ。どう備えたらいいのか、今からできる対策について取材した。

この記事の画像(10枚)

「マイナス4度」で即時対策を

水道管の凍結対策について、防災アドバイザーの高荷智也さんに教えてもらった。

防災アドバイザー 高荷智也さん:
(凍結した)金属の水道管は伸縮ができませんので、内側から強い力で水に押されると割れてしまう。その状態で、氷から水に戻って溶けると、そこから水漏れが起こってしまう

まず気にしておきたいのは最低気温だ。

防災アドバイザー 高荷智也さん:
天気予報やニュースなどで「最低気温マイナス4度」という言葉が出ましたら、ぜひご自宅の水道管凍結対策を始めていただきたい

特に注意が必要なのは、一軒家と小規模なアパートで、外気温がマイナス4度を下回ると、水道管が凍結するトラブルが急増するということだ。

福岡県では、2016年に各地で水道管の破裂が相次ぎ、約13万世帯が断水した。普段氷点下になることがめったにない地域こそ対策を怠りがちなので、注意が必要だ。

高荷さんがおすすめする対策は3つ。まず一つ目は「暖房」だ。

防災アドバイザー 高荷智也さん:
一つは室内の暖房を入れっぱなしにすることで、お家の中の水道設備や蛇口などを守るというやり方

特に深夜の時間帯に室内の温度を0度以下にしないことが重要で、トイレやお風呂など暖房設備がない場所は、ドアを開けっ放しにして、リビングなどの暖かい空気を流すことが有効だという。

光熱費の事を考えると少し気が引けるが…

防災アドバイザー 高荷智也さん:
例えばエアコンであれば、16度とか18度とか最低の暖房の設定で構いませんし、(室内温度が)冷蔵庫くらいの寒さでも構わない。0度以上になっていればいいので。

 できれば火の気のない暖房器具を使用してほしい。二つ目のポイントが、家の外の水道設備の「防寒」です。

防災アドバイザー 高荷智也さん:
直接外気に触れる場所にある水道設備については、防寒という形で布を巻くというようなことをやっていただきたい

屋外の蛇口や水道管にはタオルなどを巻きつけ、雨で濡れないようビニール袋をかぶせてテープで固定。地面に埋まっている水道メーターの周りも、タオルや緩衝材などで覆い、外気が触れないようにしたい。

最後三つ目のポイントが「流水」だ。

防災アドバイザー 高荷智也さん:
お水というものは、止まった状態で氷点下になるとすぐに凍ってしまうが、動いている状態の水はなかなか凍らないという性質を持っています。水を出し続けていれば、温かい(5度超の)水道水が出続けるので、すぐに凍結することはない

住宅の水道管はいくつも枝分かれしているため、万全を期すなら、家にある全ての蛇口から“つまようじ”程度の細さの水を出しっぱなしにすることが有効だという。

水道管の凍結を防ぐための「暖房」「防寒」「流水」という3つのポイント。もし水道管が破裂すると、修理代はウン十万かかる場合もあるということで、こうならないために、

防災アドバイザー 高荷智也さん:
ワンコインで対策をすることで、基本的に水道の破裂は防ぐことができます。水道が破裂すると痛い出費になりますので、ぜひそこはケチらずに対策をしていただきたい

(関西テレビ「報道ランナー」1月23日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。