「講書始の儀」愛子さまはご欠席

1月13日、皇居・宮殿で、新年恒例の宮中行事「講書始の儀が行われました。
天皇皇后両陛下は、皇族方とともに学術研究の第一人者から講義を受けられ、大学3年生の愛子さまは学業を優先して出席されませんでした。

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3人の研究者が講義

はじめに、西洋近世史学が専門の東京大学・深沢克己名誉教授が「地中海交易と『離散の民』の商人たち」と題して講義をしました。

東京大学・深沢克己名誉教授
東京大学・深沢克己名誉教授

深沢名誉教授は、17世紀から18世紀ごろの地中海貿易の歴史について説明したほか、「離散の民」と呼ばれるアルメニア人などの商人が、故郷を失い各地に散り東西の文化や技術を相互に伝える役割を担ったことなどを解説しました。

東京工業大学・今田髙俊名誉教授
東京工業大学・今田髙俊名誉教授

続いて、社会学が専門の東京工業大学・今田髙俊名誉教授が、「自己組織化の時代―持続可能な社会のために」というテーマで講義。

東京大学・廣川信隆名誉教授
東京大学・廣川信隆名誉教授

最後に、分子細胞学が専門の東京大学・廣川信隆名誉教授が、「生命の要、分子モーター、細胞内のミクロの運び屋」と題して、細胞内でタンパク質などの物質を運ぶ「分子モーター」の仕組みについて説明しました。

廣川名誉教授:
このモーター分子たちは、今この瞬間も私たちの神経細胞を始め、あらゆる細胞の中で走り回っており、そのおかげで私たちは、考え、記憶し、生きることができるのです。
 

「分子モーター」の研究によって、記憶障害や統合失調症など、さまざまな神経・精神疾患がどのようにして起こるかが明らかになってきているということです。

両陛下は、約1時間にわたる講義に時折うなずきながら熱心に耳を傾けられました。

(「皇室ご一家」1月22日放送)