2023年の春に行われる県議会議員選挙の投票日まで3カ月を切った。これまで無投票の可能性もあった選挙区が一転、選挙戦となる事が確実となった。そこには森元首相の地元の意地があった。

無投票の公算から一転、選挙戦となった背景にあるものとは?

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石川県の能美市と能美郡川北町を選挙区とする能美市能美郡選挙区。この選挙区が複雑なのは、能美市が寺井・辰口・根上の三つの町が合併してできた市だからだ。

定数2のこの選挙区にはいずれも自民党で旧根上町を地盤とする橋本県議。旧辰口町を地盤とする善田県議がいる。

旧寺井町は能美市の井出市長が地盤としていて、3つの地区が絶妙なバランスで成り立っているのだ。

ところが今回、根上地区の橋本県議が引退を表明。後継が中々決まらない中…

寺井地区から亀田豊(かめだゆたか)氏が2022年、立候補を表明した。自民党寺井支部が擁立したのだ。

このまま無投票かとも思われていたが、森喜朗元総理を輩出した根上地区では、県議も市長もいない空白は許されないとの声が強く、候補者の選考を行ってきたのだ。

それが17日、ようやくまとまり、根上地区出身の中野廣志(なかの ひろし)市議を県議選の候補者として擁立する事を決定した。

森喜朗元総理の地元からの候補者擁立

現職、橋本崇史(はしもと たかし)県議の引退表明を受け新たな候補者擁立を模索していた自民党根上支部。

中野廣志能美市議:
民間のときに県の仕事をしたこともあります。その経験をいかして、市と県のパイプ役を果たせるのではないかなと。

17日の会合で、根上地区出身の中野廣志(なかの ひろし)市議の擁立を決定した。

中野市議:
三つどもえと言いますけども能美市・川北町のために県と市、町のパイプ役を果たせるのは経験と実績が生きてくるのではないかと思いますのでそこを十分に訴えていきたい。

前回、前々回と無投票が続いた能美市能美郡選挙区。2022年内に根上地区から候補者の擁立がなかったことから、今回も無投票かと思われていた。

これに対し、4期目を目指す現職の善田善彦(ぜんだ よしひこ)県議は…。

善田善彦県議:
選挙をやることは覚悟をしていましたものですから、それに対して特別驚いてはいません。私にすれば能美市全体、根上地区も寺井地区も辰口地区も地元、という意識を持っていますので旧3町での戦いということは私は思いたくないです。

一方、新人で、自民党寺井支部が擁立した亀田豊(かめだ ゆたか)氏は…

亀田豊氏:
私は最初から選挙戦になると覚悟して動いておりましたので、今まで通りの戦い方を粛々と進めていかせていただきたい。自分は新人でまだ顔と名前が全く広まっておりませんので、大変厳しい戦いになるとは重々承知して覚悟しております。

合併前の枠組みで残る自民党の3支部が、それぞれ別の候補者を擁立した今回の県議選。

2005年2月の能美市誕生から18年。地域間の権力争いは市民不在で続きそうだ。

(石川テレビ)

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