島根県東部を走るJR木次線で、新たなラッピング列車の運行が始まった。利用が低迷するローカル線の存続へ、沿線自治体、そして若者たちの模索が続いている。

利用者低迷の列車 存続をかけた取り組み

1月13日、雲南市にあるJR木次駅のホームに、山吹色とピンクのツートンカラーの車両が到着した。

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この日から木次線で運行が始まったラッピング列車だ。ピンクは、沿線を流れる斐伊川堤防の桜をイメージしている。

この車両には、地元からの観光利用の掘り起こしに期待がかかっている。

雲南市・石飛市長:
今シーズンをもってトロッコ列車も終了するということで、そういうところは危機感を持って取り組んでいかなければならないと思っている

木次線は、山陰両県のJR路線で最も利用が低迷していて、観光のシンボルにもなっているトロッコ列車「奥出雲おろち号」も2023年度いっぱいでの運行終了が決まっている。

こうした中、島根県と雲南市など沿線4市町でつくる利用推進協議会が、国の補助金も活用し、約2,500万円かけて、この車両を含む4両をラッピング列車として整備した。

さらに、木次線を盛り上げようという人はほかにもいる。

SNSを活用 若者たちの活動

島根大学の学生たちは、「きすき線つながるプロジェクト」のメンバーで、SNSにアップする写真を撮影していた。

島根大学・林李奈さん:
(活動の)きっかけは「(奥出雲)おろち号」がなくなるというニュースを聞いたからで、思い出のひとつが消えてしまうという実感があった

メンバー5人が、2年前からSNSでの情報発信や、沿線を巡る学生向けのツアーを企画してきた。少しでも利用客を増やすきっかけを作り、魅力ある木次線を残したいと活動していて、トロッコ列車の次を担うラッピング列車の魅力発信にも取り組みたいとしている。

島根大学・験馬香穂さん:
駅によって特色がある。その駅を新しい列車が通るのは、いろいろな世代が楽しめるきっかけになると思う

島根大学・中村駿大さん:
学生と木次線の沿線の関わりができているので、若い世代に受け継いでいけるのかをこれからも考えていきたい

ラッピング列車は、1月21日までに4両全ての運行が始まる。

雲南市・石飛市長:
木次線に乗ってもらえるように、駅前のにぎわい、観光もそうですが、利便性を高めながらJRと前向きに取り組んでいきたい

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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