大手ビールメーカー4社が2023年の事業方針について発表した。
共通するのは「ビールへの注力」だ。なぜなら2026年のビール類の酒税一本化にむけ、段階的に税額は変わり、ビールの税額が下がるからだ。
2023年10月には2回目の変更が行われ、350ml換算でビールは70円から63.35円に減税、第3のビールは37.8円から発泡酒と同じ46.99円に増税と、安さが売りの発泡酒や第3のビールとの価格差が縮まる。
大手4社はビール回帰の流れが加速すると見込み、より一層、ビールに注力していく考えだ。
この記事の画像(5枚)アサヒビールは2022年、主力のスーパードライで発売以来初のフルリニューアルを行ったが、好調に推移している。
2023年は“マルエフ”の愛称で親しまれる「アサヒ生ビール」のラインアップを強化し、250ml缶や500mlの中瓶の商品を2月14日から発売する。250ml缶は、350ml缶では飲み切れないという声も聞かれたためだ。また、“マルエフ”と“黒生”を混ぜて飲む飲み方の提案も行っている。
キリンビールは、主力の「キリン一番搾り生ビール」を2年ぶりにリニューアルし、2023年1月製造分から全国で順次切り替える。麦汁の仕込み工程を見直し麦本来のうまみを最大限引き出したという。
さらに、クラフトビール代表の「スプリングバレー豊潤〈496〉」もリニューアルする。クラフトビールについて若者の関心が高いということで、若者のビール離れを食い止める手段の1つにもしたい考えだ。
サントリーは主力の「ザ・プレミアム・モルツ」を独自の製法で刷新し、2月28日から発売する。6年ぶりの大幅なリニューアルとなる。
2022年に発売開始した「ビアボール」などとあわせ、ビールカテゴリーにマーケティング投資を集中し、2023年はビールの販売数量を去年に比べおよそ20%増やしたい考えだ。
サッポロビールは、エビスブランドの新ラインを立ち上げる。
高価格帯のビールについては、度重なる物価高騰や、晴れやかな雰囲気になりにくい社会情勢が課題となっているが、このラインでの伸長が期待されている。
2022年末に開業が予定されている「YEBISU BREWERY TOKYO」で醸造を担当している若手醸造家が商品開発を担当し、現代の製法や技術を取り入れながら、これまでのビールの概念にとらわれない、新しいビアスタイルを提供したいとしている。
2022年のビール類市場の販売実績は、業務用ビールの回復などから前の年に比べ2%から3%増加したと見込まれている。2004年以来18年ぶりの増加となった。しかし、2023年は物価高などの影響で各社は、2%から4%程度再び減少すると見込んでいる。
2023年10月の酒税改正をいかに追い風にできるか、競争が激化している。
(フジテレビ経済部 麻生小百合)