新型コロナで疲弊した、北陸一の繁華街を救うはずだった石川県金沢市片町の無料検査所を舞台に不正が行われていた。別の場所で行った検査を県の無料検査所で行ったように装い、補助金およそ174万円をだまし取ったとして能美市の会社役員らが逮捕されたのだ。
別の場所での検査を“偽装”
山川遼記者:
午後0時半過ぎです、警察官に連れられ男が外に出てきました。

金沢市にある自分のビルから任意同行を求められた能美市佐野町の会社役員、河上伸之輔(かわかみ しんのすけ)容疑者(41)

その後、詐欺の疑いで富山県富山市の会社役員、西昭洋(にし あきひろ)容疑者(46)と共に逮捕された。

山下理恵記者:
男らは不正に補助金を得ようとこのビル以外でも検査を行っていたということです。

警察によると河上容疑者は西容疑者と共謀。別の場所で検査したにも関わらず金沢市片町2丁目に開設した新型コロナの無料検査所で、検査したように偽装し、2022年8月31日に補助金およそ174万円をだまし取った疑いがもたれている。



複数のビルを所有する若手実業家
2022年5月、北陸一の繁華街にオープンした石川県内初の常設検査所。
当時、ビルのオーナーは河上容疑者で、西容疑者が検査所を運営していたと見られている。
この時、河上容疑者は…

河上伸之輔容疑者:
コロナに感染したらどうしようと、不安があると思うんですけれども全員で検査をしていただいたらその日安心して飲めますので、ぜひ企業のみなさんも団体の色んな皆さんも片町で食事をして、そのあとも楽しんでいただきたいと思います。

このように述べていた河上容疑者。
河上容疑者は金沢市に複数のビルを所有し、「世界で2番目においしい焼きたてメロンパンアイス」や「金沢フルーツ大福 凜々堂」などを展開し、若手実業家として知られている。


一方、西容疑者は2022年10月、同様の手口で富山県から補助金をだまし取ったとして富山県警に逮捕され、その後、起訴されていた。
2022年10月下旬、県から相談があり警察が捜査に着手したと言うことだ。
警察によると、だまし取ったとされる補助金はおよそ400人分、およそ174万円。

しかし、逮捕前、河上容疑者は石川テレビの取材に対し…

河上容疑者:
受け取った補助金は、およそ300万円ある。

警察は、捜査に支障が出るとして両容疑者の認否は明らかにしていないが、余罪についても追及する方針だ。

石川県の馳知事は…
馳知事:
誠に遺憾であり、当該の事業者などに補助金の返還を求めるなど厳正に対処していく。
と、コメントしている。

新形コロナで疲弊した飲食店を救うはずだった、新型コロナの無料検査所。順風満帆だった若手実業家が一体なぜ、不正に手を染めてしまったのか。実態解明が望まれる。
(石川テレビ)