今年もいよいよこの時がやってきた!6年ぶりとなる12月25日のクリスマス決戦、グランプリレース第67回有馬記念(中山GI芝2500m)。
ファン投票10位の内から6頭、GI馬7頭の豪華メンバーが集結するという、なんとも楽しみな一戦となった。
今年の有馬記念では、ファン投票1位で、36万8304票の歴代最多得票を集めたタイトルホルダーをはじめ、天皇賞・秋を制し3歳馬の代表格とも言えるイクイノックス、連覇を狙うエフフォーリア、ジャパンカップの覇者ヴェラアズール。そして母子制覇なるかジェラルディーナ、有馬記念ラストの福永祐一騎手が騎乗のボルドグフーシュなど、超豪華メンバーが顔をそろえた。
キーワードは「内枠」 運命の公開枠順抽選会
12月22日に、今年で9回目を迎える公開枠順抽選会が行われた。

スタジオで抽選の大役を担ったのは、2022年JRA年間プロモーションキャラクターを務める長澤まさみさん、2023年からJRA年間プロモーションキャラクターに加わる佐々木蔵之介さんと、今年2月いっぱいで引退した藤沢和雄元調教師の3人。
東西トレセンの会場に抽選のため駆けつけた騎手・調教師が口を揃えたキーワードは、「内枠」。中山の芝2500メートルは、スタートから最初のコーナーまでの距離が短く、コーナーを6回も通過し、最後の直線も短い設定。近年は明らかに内枠が有利で、16頭立てで行われている最近10年のレースでは、8枠15、16番の連対はない。
「内枠が欲しい」。陣営や関係者の緊張感漂う中で始まった枠順抽選会。

最初にアリストテレスと馬名を呼ばれ登場したのは、レジェンド武豊騎手。
「これ、枠順通りじゃないんですか?」との発言で笑いを誘い、結果として2枠4番をゲットに「いい枠だと思います、初めて藤沢先生がいい仕事をしてくれた」と、満面の笑顔だった。
前日に買ったというトナカイの被り物で現れたイズジョーノキセキ・岩田康誠騎手は「チャンスは広がったかな」の1枠2番にガッツポーズ。
騎手としては最後の有馬記念参戦となる、ボルドグフーシュ騎乗の福永祐一騎手は「フクナガ、ファイナルのFで」と2枠3番をゲットし、「よっしゃー」と手をたたいて喜び、宮本調教師からもガッズポーズが飛び出した。
対照的に不利と言われる大外8枠16番を引いたのが、タイトルホルダーと同じ凱旋門賞以来のレースとなるディープボンド。川田騎手も「違う枠を引いて欲しかった」と苦笑い、大久保調教師は「邪魔されずに好きに走れるので川田騎手に任せます」と、気持ちを切り替えていた。
様々な思いが交錯する中、16頭の枠順が確定した。

注目はやはり、ファン投票1~3位の3頭であろう。
36万票超の期待を背負うタイトルホルダー
春の天皇賞、宝塚記念を制し、国内現役最強を示すべく、満を持して臨んだ世界最高峰のレース凱旋門賞。しかし降りしきる大雨の中、パリでは厳しい戦いを余儀なくされた。
結果は日本馬の再先着ではありながらも11着。しかし、スタートから見せ場を作るなど、存在感は十分に示してくれた。

この馬への期待はファンから寄せられた“36万”を超える歴代最多の得票が示していると言っても過言ではない。
抽選会で2番目に名前を呼ばれたタイトルホルダーの枠順は、7枠13番に決定。
去年は大外8枠16番からの5着。栗田調教師は「オーナーからは昨年よりも内を引いてくれと言われていた」と話す。
横山和生騎手も「去年もあの枠からしっかり頑張ってくれたし、リベンジという気持ちもありますので楽しみです。タイトルホルダーのことに集中してレースに臨むだけです。たくさんの支持をいただいたので、皆さんの思いも乗せて頑張ろうと思います」と力強く語った。
2021年度代表馬の復活なるか?エフフォーリア
対するは、ファン投票2位、連覇を狙う昨年の年度代表馬・エフフォーリア。

上半期のGⅠレース2戦はともに9着と6着。不本意な結果となった。
夏のオーバーホールを経て、秋の予定を白紙にし、このグランプリレースに目標を定めてきた。騎乗はもちろん横山武史騎手。
4枠7番を引き当て「真ん中より内側に入ってよかったです。体調はいいと思いますが、最近は前進気勢がなくなっている点がどうか、今のエフフォーリアをどれだけいい方に導いてあげられるかだと思うので、しっかり頑張っていきたい」とコメント。
21日の共同会見でも「エフフォーリアの力を出し切れるように頑張りたい」「有馬だからというわけではなく、エフフォーリアと勝ちたい」と決意を語っていただけに、エフフォーリアと横山武史騎手がどんな競馬を見せてくれるのか、復活はあるのか、注目したい。
古馬へ真っ向勝負!3歳馬イクイノックス
タイトルホルダーと並んで、上位人気に推されそうなのが、3歳馬の代表格であるイクイノックス。

前走の天皇賞・秋では、大逃げするパンサラッサをゴール前脅威の末脚で捉え、念願のGⅠタイトルを手にした。皐月賞、ダービー2着と惜しい競馬が続いていただけに、この勝利は大きかった。
GⅠ連勝を目指すイクイノックスの枠順は5枠9番。ルメール騎手は「完璧な枠番、いい結果を出したいです。天皇賞・秋で素晴らしいパフォーマンスをしてくれた、改めて頑張りたい」と語り、木村調教師も「全然大丈夫です。天皇賞・秋の時と変わらず元気で、追い切り後もトラブルなくきていますので頼もしく見ています」と自信のコメント。
ここまでオール連体でセンス抜群の3歳馬が年末のグランプリレースを制し、年度代表馬の座をつかみ取るのか?
福永騎手もラスト有馬で初制覇なるか?
過去最多の10勝を挙げる2枠3番の絶好枠を引き当てた後、手をたたいて喜んだのは、来年2月末で引退して調教師となる福永祐一騎手。

「15番が残っていたので気にしていたけど、見ないようにしていました。いい枠も当たりましたし、馬の能力を発揮して、いい着順を取れるように頑張りたいと思います」
菊花賞2着のボルドグフーシュとともに最後の有馬記念でどんなレースを見せてくれるのか、こちらも注目したい。
一足早い予想で人気なのは「あの牝馬」
抽選会の会場で枠順確定後、一足早く行われた有馬記念の予想では、ある牝馬に注目が集まった。

3枠5番を引き当て、史上初の母子制覇を狙うジェラルディーナである。2走前に中山で2200mのオールカマーを制し、前走のエリザベス女王杯で見事な差し切り勝ちで強烈なインパクトを与えた。勢いに乗る牝馬に騎乗するのはC・デムーロ。
「欲しかったところ、グッドナンバー。彼女は強い、牡馬相手でも大丈夫」と力強い。
このジェラルディーナとイクイノックスの組み合わせをあげる解説者が多かったが、果たして?
超豪華メンバーが揃ったクリスマスグランプリを制するのはどの馬か。
大一番・有馬記念は25日、中山競馬場(11R)で、午後3時25分にスタートが切られる。
みんなのKEIBA「G1有馬記念」
12月25日(日)午後2時30分生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/minnanokeiba/index.html