山形県内に初めて特別警報が出された8月の豪雨や、3月の大地震など、2022年で山形県内で起きた「自然災害の脅威」を振り返る。

東京への交通がストップした大地震

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3月16日深夜、福島県沖を震源とする大地震が襲った。県内の最大震度は中山町の震度5強、河北町の90代女性が、転んで足の骨を折るなど5人が重軽傷を負った。

記者:
午前10時です。(新幹線の)車両を移動する作業が行われていて、30人ほどの作業員が人力で連結を外しているもようです

大きな揺れで、宮城県内では走行中の東北新幹線が脱線。この影響で、山形新幹線も福島駅から東京駅までの区間が全面ストップした。

混雑するバスのりば
混雑するバスのりば

記者:
こちら山形空港へ向かうバスの乗り場なんですが、ズラリと行列ができています

東京に直通する大動脈が止まった影響は大きく、バス会社や航空会社が急きょ用意した東京行きの臨時便も、連日「満席」となった。

バス利用客:
仙台へ行って、仙台からバスで東京へ。何でもいいので東京行きに乗せてほしい

こうした交通面での混乱は、山形新幹線が全面再開した4月2日までの2週間以上続いた。

過去最大の風水害「8月3日からの豪雨」

2022年、県内で発生した自然災害の中で、最も大きな被害が出たのが「8月3日からの豪雨」。

記者:
大丈夫?無理しないで無理しないで。来ない方がいい。危ないから。お父さん。家にいた方がいいですよ

小国町では、小川が濁流となり溢れた。この日1日で降った雨の量は飯豊町高峰で292mm、小国で287mm、米沢で239mm。いずれも観測史上最大の記録的な大雨で、実に1カ月分の雨が一気に降った。

山形地方気象台は、米沢市や飯豊町など7つの市と町に「大雨特別警報」を出し、命が助かる行動を取るよう強く呼びかけた。

しかしー。

記者:
飯豊町の大巻橋の崩落現場です。ご覧のように数十メートルあったとみられる橋が濁流の中に落ちてしまっています。流されたという車もまだ見つかっていません

飯豊町では、川の増水で県道にかかる大巻橋が崩落。男性1人が乗っていた車ごと川に転落し流された。車は3日後、土砂に埋まった状態で発見されたが、車内に男性はおらず、現在も行方不明のまま。

その後、大巻橋は国から「応急組み立て橋」を借り受け、約3カ月後に通行が再開された。同じように豪雨で被災し、一時全面通行止めとなった米沢と福島をつなぐ国道121号や、飯豊と小国を結ぶ国道113号も復旧した。

線路が崩れてしまている様子
線路が崩れてしまている様子

その一方、米沢市と新潟県を結ぶ、JR米坂線は、鉄橋の崩落など被害が100カ所以上にのぼり、復旧のめどが立っていない。現在も今泉駅より西の区間ではバスによる代行輸送を余儀なくされている。

JR東日本・渡利千春常務:
被害を受けた規模・範囲が非常に大きいので、復旧がいつまでというのは見通しが立っていない

米坂線の収支は、年間18億円の赤字。近年、全国的にも自然災害をきっかけに赤字路線が廃止されるケースが多く、住民は不安を募らせている。

小国町民:
(米坂線の)周辺地域には、車がないお年寄りの人がいっぱいいる。(赤字で)大変だと思っているが、なんとか赤字でも運転(再開)してほしい

豪雨による被害総額は約477億円。県内で起きた風水害としては「過去最大」となった。

「来年、特別警報がでないと言い切れない」

今回、県内では初めて発表された「大雨特別警報」。実は、気象の専門家にとっても「予想外の出来事」だった。

山形地方気象台・吹田俊明 観測予報管理官:
特別警報が、まさか今年(県内に)出るとは私たちもそこまでは考えていませんでした

当初、気象台では、大雨を降らせる雨雲は早い段階で南に抜けていくと考えていたが、予想以上に山形の上空で停滞。同じ場所に長時間雨が降り続く、線状降水帯が発生したことが特別警報の一因となった。

「1時間に30mmの激しい雨が県内で1年間に何回降ったか」過去40年の推移を示したグラフ。激しい雨の回数が、右肩上がりで増えていることがわかる。

山形地方気象台・吹田俊明 観測予報管理官:
(激しい雨の回数)40年で4倍に上がっている。どうして激しい雨が増えたかというと“地球温暖化”が影響している

雨量が増えているもう1つの要因は地球温暖化。気象庁によると、県内も気候変動によりこの100年で平均気温が1.4度上昇。吹田さんは、気温の上昇が「大雨被害の激甚化」につながっていると指摘する。

山形地方気象台・吹田俊明 観測予報管理官:
気温が高くなればなるほど空気の中に含まれ得る水分が多くなる。そのため発達して雨として落ちてきた時、1時間に30mm以上の激しい雨になる回数が増えるので、大雨警報・被害が出る回数も増える

本来、「数十年に一度の大雨」の際に出される特別警報。しかし実際は、災害級の大雨が毎年のように全国で頻発している。

山形地方気象台・吹田俊明 観測予報管理官:
来年、山形県で特別警報が出ないとは言い切れない。毎年のように危険はある。もしかしたら2回出る可能性もあるので、常に気を付けてほしい

自分や、家族の大切な命を守るため。「いつ起きてもおかしくない」という心構えが大切となる。

(さくらんぼテレビ)