12月22日(木)に大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで開幕する全日本フィギュアスケート選手権。

初日となる22日(木)には、アイスダンス・リズムダンスと女子のショートプログラムが行われる。

羽生結弦のプロ転向など、新たなステージへと歩みを進める日本フィギュア界はまさにシン・フィギュア時代。

日本代表を目指して戦いに挑む選手、最後と決めて全日本のリンクに立つ選手…様々な思いが交差する、日本最高峰の舞台・全日本選手権で選手たちはどんな演技を見せてくれるのだろうか。

女子ショートプログラムの滑走順は以下の通り。

16時20分ごろから第1グループ、第2グループが17時20分、第3グループは18時ごろ、第4グループが19時15分、第5グループは20時00分ごろ開始予定。

第1グループ

(1)柴山 歩(しばやま あゆみ)
14歳/木下アカデミー 2年連続2回目

柴山歩
柴山歩
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昨年の全日本では新人賞を獲得したスケーターが1番滑走で登場。Jr.GPシリーズ出場を果たした、今シーズン。全日本ジュニアでは、表彰台に惜しくも届かず悔し涙。

全日本では「今度こそショート・フリーでノーミスを!」と意気込む。中学3年生、伸びる身長とも戦いながら、コツコツと練習を積み重ねてきた。

ショート・フリーともに、長い手足が映える演技は、見ごたえがある。

三枝知香子
三枝知香子

(2)三枝 知香子(さいぐさ ちかこ)
19歳/日本大学 初出場

昨年の全日本ジュニアでは、受験と試合日が被った中、チームの垣根を越えたコーチ陣の協力により、”滑りこみ演技”を果たした。

シニアデビューを迎えた今年は、ジャンプの難度も精度もレベルアップ。東日本選手権では、ショートで全日本圏外からのスタートとなったが、逆転で初の出場権を獲得。

去年、協力してくれたコーチ陣に成長した姿を見せ、恩返しができるか。

大庭雅
大庭雅

(3)大庭 雅(おおば みやび)
27歳/東海東京FH 2年連続11回目

ついにシングルスケーター最年長となったベテランスケーター。社会人5年目も「成長していると実感している」と向上心はつきない。

ショートは自身が振り付けた意欲作。フリーも安藤美姫さんと共作した、こだわりが詰まったプログラム。ベテランならではの演技は、彼女にしかだせない奥深さがある。

11度目となる全日本では、「必ずフリーを滑りたい」と強い覚悟を持って挑む。

島田麻央
島田麻央

(4)島田 麻央(しまだ まお)
14歳/木下アカデミー 初出場

Jr.GPシリーズを連勝し、Jr.GPファイナルでも優勝。全日本ジュニアも連覇を果たし、華々しい実績を引っ提げ、ついに全日本デビュー。

”シン・フィギュア時代”を担う逸材は今シーズン、フリーで4回転トゥループとトリプルアクセルを組み込む。2つ揃えての同時成功はまだない。

”日本女子初”の快挙が全日本で見られるのか。ニッポン期待の中学2年生から目が離せない。

竹野比奈
竹野比奈

(5)竹野 比奈(たけの ひな)
25歳/福岡大学 7年連続7回目

福岡のスケート姉妹の姉。大学卒業後も競技を続けてきたが、今シーズンでひと区切りすることを決めている。

今年は初の一人暮らしを経験し、精神的にも自立したと実感。スケートを始めたきっかけでもある、得意のスピンは注目して欲しい。

今年の会場はショート落ちの悔しさも、ユニバーシアード代表を掴んだ喜びも経験したリンク。最後にいい思い出で締めくくれるか。

第2グループ

(1)髙木 謠(たかぎ よう)
15歳/MFアカデミー 初出場

髙木謠
髙木謠

キレのある演技と笑顔が魅力で、“踊る力”には定評のある中学3年生。昨シーズンから南船橋MFアカデミーに拠点を移し、スケ―ティングとジャンプがレベルアップ。

「やる気と根性と気合は去年よりもあります!」と話す通り、全日本ジュニアで7位に入り、初の全日本。

支えてくれている方々へ、「感謝の気持ちを込めて楽しく元気いっぱいに滑りたい」目標はフリー進出。

本田真凜
本田真凜

(2)本田 真凜(ほんだ まりん)
21歳/JAL 2年連続7回目

オフにはキャスターに挑戦するなど、リンク外でも大きな経験を積んで迎えた今シーズン。練習での自信も積み重ね、掴んだ7度目の全日本。

大会に向けては、自信を持って滑り切ることや、スピンに力を入れて練習してきたという。目標は「ショートノーミス。スピン・ステップレベル4。

「心から喜べる演技をしたい」と、意気込みを語る。スタートから観客を引き込む演技は必見だ。

竹野仁奈
竹野仁奈

(3)竹野 仁奈(たけの にいな)
21歳/筑紫女学園大学 2年連続3回目

福岡のスケート姉妹の妹。背の高さを活かしたダイナミックな滑りが特徴。

スピン・ステップすべてで最高評価のレベル4を獲得できる力を持つ。大学4年生、ラストイヤーで迎える今シーズン。全日本で過去出場した2大会では、悔いが残り、最後まで楽しみ切れなかったという。

今年こそ、「ショート、フリーで自分の力を出しきること。そして最後まで楽しむことです」と決意を新たに。

村上遥奈
村上遥奈

(4)村上 遥奈(むらかみ はるな)
14歳/木下アカデミー 初出場

ジュニア1年目の今シーズン、ペアとの二刀流に挑戦。練習時間が増え、実力に磨きがかかった。

「この1年間みんなの倍、練習を頑張ってきたおかけで自信がつくようになりました!」

二刀流で出場した全日本ジュニアでは、過酷なスケジュールの中、滑り切り、シングルでも全日本の推薦出場を勝ち取った。フリー進出なら、4日間で4演技をすることになる。

山下真瑚
山下真瑚

(5)山下 真瑚(やました まこ)
19歳/中京大学 6年連続6回目

「とてもポジティブになった。数年前の何もうまくいかなかったときに比べてとても楽しくスケートができている」と、持ち味の伸び伸びとした演技を取り戻しつつある今シーズン。

ジャンプも感覚ではなく、”理屈”で跳べるようになったと、技術面での成長も実感。

全日本に向けては「お客さんにもう一度見たいと思ってもらえるような演技がしたい」と、セルフコレオに挑戦した、ショートは注目。

千葉百音
千葉百音

(6)千葉 百音(ちば もね)
17歳/東北高校 4年連続4回目

羽生結弦と同じ東北高校に通う、高校2年生。

伸びやかさと軽やかさのある滑りは世界の舞台でも高い評価を受け、Jr.GPポーランド大会では表彰台にも登った。全日本ジュニアでは、中学生たちの勢いに負けず2位。

高校生の意地を見せ、2年連続の表彰台。全日本が最終選考会となる、世界ジュニア代表の争いにも食らいついていきたいところだ。

第3グループ

(1)吉岡 詩果(よしおか しいか)
20歳/山梨学院大学 2年ぶり3回目

吉岡詩果
吉岡詩果

にこやかな表情で滑るのが魅力的なスケーター。

しかし、去年はケガがあり、全日本出場を逃し、悔し涙を流した。苦い経験を活かし「練習しすぎてケガをしないこと」を意識。質の良い練習を心がけ、2年ぶりの全日本出場を掴んだ。

「フリーに進みたいです。全日本で演技できる喜びを感じながら、気持ちよく演技ができたらいいです」と目標を語る。

佐藤伊吹
佐藤伊吹

(2)佐藤 伊吹(さとう いぶき)
22歳/明治大学 6年連続6回目

現役ラストイヤーを迎えた、大学4年生。

今シーズンはショートで苦戦が続くが、東日本選手権ではフリーで巻き返しを見せ、3位に入った。3年ぶりの表彰台に登り、掴んだ全日本の切符。

周囲への感謝の気持ちと17年続けたスケートへの思いを込めて、最後の大舞台に挑む。

「最後の全日本、1人でも多くの人の記憶に長く残る演技をしたい」

松原星
松原星

(3)松原 星(まつばら あかり)
22歳/明治大学 5年連続5回目

大学4年生、今シーズンがラストイヤー。

そんな現役最後の年に、拠点をMFアカデミーに移した。より良い環境で練習を積み、今シーズンに懸けてきた。しかし、東京選手権後に右足首の靭帯を部分断裂するアクシデント。

ケガを抱えた中でも最後の全日本の切符を掴んだ。得点源の“鉄板” 3回転サルコウ+3回転トゥループの連続ジャンプと、柔らかくジャンプを着氷する”猫足着氷”にも注目。

奥野友莉菜
奥野友莉菜

(4)奥野 友莉菜(おくの ゆりな)
15歳/駒場学園高校 初出場

日本ジュニア女子屈指のスケーティング技術を武器に初めて掴んだ全日本。

今シーズンは、演技構成点の上乗せも手ごたえを感じてきた。ジャンプでもレベルアップを目指し、セカンドの3回転トゥループに力を入れて練習。

全日本でも得点源になるだけに、成功させたいジャンプだ。目標は、「フリー進出。とにかく楽しんで滑りたい」と、風が吹いているような伸びやかな滑りに注目。

中井亜美
中井亜美

(5)中井 亜美(なかい あみ)
14歳/MFアカデミー 2年連続2回目

ノービスの頃からこだわり、挑戦し続けてきたトリプルアクセル。

その成功率が今シーズンは向上。全日本ジュニア3位、Jr.GPファイナル4位と、大きな舞台でも力を発揮してきたジュニア2年目のシーズン。

去年は、ショートからトリプルアクセルに挑戦するも、回転を締め切ることが出来ず、フリーへ進むことが出来なかった。2度目の舞台、全日本でも成長した姿を見せたい。

櫛田育良
櫛田育良

(6)櫛田 育良(くしだ いくら)
15歳/木下アカデミー 初出場

スピードの落ちない疾走感のある演技と、中学3年生とは思えない艶やかな雰囲気をあわせ持つスケーター。昨年は全日本ジュニアで0.67点差及ばず、全日本出場を逃した。

今年は、その全日本ジュニアのフリーで会心の演技を見せ、念願の初出場を掴んだ。

全日本に向け、「もっと大人な表現ができるように」と持ち味を磨き、フリー進出を目指してシニアの舞台に立つ。

第4グループ

(1)紀平 梨花(きひら りか)
20歳/トヨタ自動車 2年ぶり5回目

紀平梨花
紀平梨花

2019、20年全日本2連覇の元女王が全日本に帰ってきた。

昨シーズンは7月に発覚した右足首の疲労骨折により全休し、北京五輪の夢も断たれた。その中でリハビリを続け、中部選手権で525日ぶりの実践復帰。

以降、大会に出場するごとにスコアもアップし、GPフィンランド大会では3回転フリップまで復活。全日本では、さらに3回転ルッツを入れ、ノーミスの演技で世界選手権代表入りを狙う。

江川マリア
江川マリア

(2)江川 マリア(えがわ まりあ)
19歳/明治大学 初出場

今年、大学進学を機に福岡から南船橋へ拠点を移した。恵まれた練習環境の中、持ち味のエッジを深く使う滑りに磨きをかけてきた。

シニアデビューの今シーズンは、東京選手権・東日本選手権で有力選手を抑え、優勝。勢いのままに、初の全日本を掴んだ。

「12位以内で強化選手入りを目指して頑張りたい」さらに支えてくれている方々へ、「恩返しできるようないい演技を届けたい」と意気込む。

渡辺倫果
渡辺倫果

(3)渡辺 倫果(わたなべ りんか)
20歳/法政大学 3年連続5回目

「ダイオウグソクムシ」をこよなく愛する、今、日本女子で最も勢いのあるスケーター。

去年の全日本で、トリプルアクセルを初成功させ、自己最高の6位に入り、「垂直にドーン!」とスケート人生が一変。今シーズンは、ロンバルディア杯で優勝。

さらに、繰り上がり出場となったGPスケートカナダで、初出場初優勝の快挙を達成。一気にファイナル進出を果たした。この勢いで世界選手権代表入りなるか。

三宅咲綺
三宅咲綺

(4)三宅 咲綺(みやけ さき)
20歳/岡山理科大学 2年連続4回目

去年はフリーに進めず、失意を味わった全日本。

「スケートを辞めたい」と思うほど、どん底に沈んでいた中、坂本花織らに声をかけられ、中野チームへと移籍。トレーニングや食生活なども見直し、持ち味のエネルギッシュでハツラツとした演技に、より輝きが増した。

「今年は、12位以内に入って強化選手に戻ることが最大の目標」とリベンジの舞台に挑む。

青木祐奈
青木祐奈

(5)青木 祐奈(あおき ゆな)
20歳/日本大学 3年連続5回目

去年の全日本では、フリーに進出することができず悔しい思い。今シーズンは心機一転、MFアカデミーに拠点を移しリスタート。

同世代の仲間に囲まれ、刺激を受けながら練習を積んできた。代名詞3回転ルッツ+3回転ループの確率も上がってきている。

リベンジの全日本へ、目標は「ショートを通過して15位以内。来年の東日本の通過枠を自分で取りたい」。

坂本花織
坂本花織

(6)坂本 花織(さかもと かおり)
22歳/シスメックス 10年連続10回目

今シーズンは、重圧や葛藤にもがき苦しむ中で、どん底まで突き落とされたが、「落ちて、泣いて、吹っ切れた(笑)」。

全日本に向け、気持ちを新たにし、モチベーションは今シーズン1番という中で迎える全日本。

「戦う気満々!」

ついに目覚めた五輪メダリスト&世界女王。自身の持ち味、”スピードと迫力”を最大に発揮し、全日本の連覇へ突き進む。

第5グループ

(1)吉田 陽菜(よしだ はな)
17歳/木下アカデミー 4年連続4回目

吉田陽菜
吉田陽菜

トリプルアクセルを武器に、今シーズンはJr.GPシリーズで2連勝。ファイナルの舞台にも立った。国内ではシニアに転向。西日本選手権では優勝を飾った。

過去3回出場した全日本では、トリプルアクセルを成功することができず。

「今回は絶対綺麗に着氷させたいっていう気持ちは本当に大きい」と、リベンジの思いは強い。ショートは後半グループでのスタート。日本のトップにどこまで食らいつけるか。

横井ゆは菜
横井ゆは菜

(2)横井 ゆは菜(よこい ゆはな)
22歳/邦和みなとSC・中京大 6年連続7回目

全日本を盛り上げてきたエンターテイナーも大学4年生。ひとつの区切りである、学生最終年を迎えた。

今シーズンは、ショート・フリーともに、”挑戦したことのない曲”にチャレンジ。表現者としての探求が続いている。

全日本は「最後まで集中したい」と結果にはこだわらないと話しているが、「やっぱりしたいのはノーミス」豪快なガッツポーズが再び見られるのか。

河辺愛菜
河辺愛菜

(3)河辺 愛菜(かわべ まな)
18歳/中京大中京高校 4年連続4回目

去年の全日本でショートとフリーでトリプルアクセルを成功させ、北京五輪と世界選手権の代表を掴んだ。

しかし、その2大会で悔しい思いを味わった。再出発の今シーズンは、地元・名古屋へ拠点を戻し、新たに樋口美穂子コーチに師事。課題に挙げた表現力に磨きをかけてきた。

今シーズン、ここまでトリプルアクセルを封印も、練習は継続。全日本で今年も力を見せられるか。

三原舞依
三原舞依

(4)三原 舞依(みはら まい)
23歳/シスメックス 3年連続8回目

「忘れない」と話す、4位に終わった去年の全日本。北京五輪代表を逃し、悔しい思い持ち続けてきた。5月には、「強くなりたい」とカナダ・トロントで単身海外武者修行。そこでもらった”Be Strong,Be Happy”という言葉を胸に今シーズンは快進撃。

GPシリーズを女子唯一連勝すると、GPファイナルに進出。初の舞台で優勝を掴んだ。

今年の全日本、目指すはただ1つ、「6年ぶりの世界選手権代表」。

住吉りをん
住吉りをん

(5)住吉 りをん(すみよし りをん)
19歳/オリエンタルバイオ・明治大学 3年連続3回目

昨シーズンの世界ジュニア代表。満を持して今シーズン、シニアデビュー。GPシリーズデビューも果たし、2戦連続で表彰台。

初戦からフリー冒頭に4回転トゥループを組み込み、挑戦を続けている。試合を重ねるごとに手ごたえを感じているといい、全日本で初成功に挑む。

ジャンプだけでなく、スピードが落ちない、伸びのある滑りに定評あり。シニアとして初の全日本では、表彰台を目指す。

松生理乃
松生理乃

(6)松生 理乃(まついけ りの)
18歳/中京大中京高校 3年連続3回目

日々コツコツ、鍛錬を重ね、曲の最初から最後まで切れ目のない濃密なプログラムを作り上げる職人のようなスケーター。

昨シーズンは、北京五輪代表候補に名を連ねたが、ケガの影響もあり、全日本7位と涙をのんだ。「『オリンピック=理想』じゃダメだ」と、次の4年に向け強い決意で再スタートを切る。

今シーズンは、GPシリーズ2戦に出場。ノーミスの演技を揃えられれば、表彰台も夢ではない。

29名中24名が進出するフリーは、12月24日(土)に行われる。

全日本フィギュアスケート選手権2022
フジテレビ系列で12月22日(木)から4夜連続生中継(一部地域を除く)

https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/japan/

全日本までの道の詳しい概要はフジスケで!
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班