様々な出来事が起きた2022年。「ウクライナ侵攻」は、今も続いている。
10月、福島県いわき市の東日本国際大学にウクライナから一人の留学生が加わった。福島県に避難した留学生の、その後の変化と今を取材した。
激戦地ハルキウから避難
カリーナ・グロジクさん、19歳。ロシアとの国境付近にあり、激戦地となったウクライナ第2の都市・ハルキウから避難した。

カリーナ・グロジクさん:
ここの生活はとても快適ですが、ウクライナでは計画停電で、インターネットや電気が使えず、故郷の家族や友達を非常に心配しています。本当に恋しいと思っているんです

2022年2月に始まった、ロシアのウクライナ侵攻。民間人も含め、戦争の犠牲者は増え続けている。
東日本国際大学では、2022年5月にウクライナから避難する留学生の受け入れを開始。カリーナさんも含めて11人が在籍していて、授業料の免除や生活する寮を提供するなど支援している。

蘇る爆撃の記憶
同じくウクライナから避難した学生と、支え合い生活するカリーナさん。今でも、当時の記憶が蘇るという。

カリーナ・グロジクさん:
だいたい午前5時ごろだったと思います。ロケットが落ちてきた音がとてもうるさくて、目が覚めました。私が通っていた大学は、ロケットで建物が破壊されました。シェルターにずっと住んでいて、寝ること以外にすることがなく、爆弾やロケットが飛んでくるのが怖かったです

カリーナ・グロジクさん:
その音が聞こえてきて、とても嫌でした。ビルにロケット弾が着弾しているのを、実際に見たこともあります

気がかりなのは、従軍する兄の存在。ロシア軍が交信を傍受している可能性もあり、頻繁に連絡がとれない状況が続いている。

カリーナ・グロジクさん:
兄に何年も会えず、めったに連絡もとれず、恋しいです。家族や友達を本当に恋しく思っていますが、今ウクライナはとても危険で、快適な生活が約束されているわけではないので、帰国できません。しかし、日本だと快適にここで過ごすことはできますが、友達に会うことができずとても寂しいです

日本での日々…気持ちに変化
戦火を逃れ、穏やかに過ぎる時間。カリーナさんの様子にも変化が出てきたという。
東日本国際大学 留学生別科長・松本優梨さん:
前は(カリーナさんが)しゃべる姿は見たことなかったのですけど、今はとりあえずしゃべるし、あと笑う。それが変わったんですね。友達とも仲良く動いているので安心しています

一方で、カリーナさん自身は以前にはなかった感情が芽生えていた。
カリーナ・グロジクさん:
人々の関心が徐々になくなっていると感じていて、あまりよくないと感じています。さらに、日本をはじめ世界の人たちに対して求めていることは、真実の正しい情報を発信してもらうことです

2023年はどこにいて、何をしているのか?一日も早くウクライナの家族や友人と過ごせるように。遠く離れた異国の地で祈り続けている。

カリーナ・グロジクさん:
歴史を振り返っても、そして今でもウクライナは自由のために戦ってきたので、来年は戦争が終結し穏やかで平和な日々が戻ることを願っています

(福島テレビ)