まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」を少しでも減らそうと自動販売機を使って販売する取り組みが札幌で増えている。

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2022年8月に設置されて話題になった人気のパン屋「どんぐり」の自動販売機。閉店時に店頭にあるパンを冷凍して詰め合わせにして販売している。

今、こうした自動販売機を使い、食品ロスを減らす取り組みが増えている。

札幌市内のホテルのロビーにある自動販売機。名前は、食品ロス削減ボックス「fuubo」という。

売られているのは、チョコレートやせんべい、カップ麺などだが…

全国各地から賞味期限が切迫した食品や、在庫過多の物を集め、24時間自動販売機で販売しているのだ。

使い方は簡単。スマートフォンなどで専用ページにアクセスして欲しい商品を選択。料金は事前にクレジットカードなどで決済しておく。

その後届いたメールのURLを開き、自動販売機についているQRコードを読み取れば商品を受け取ることができる。

商品は、物によっては"3割から5割引き"と、かなりお得。なぜこのようなシステムを作ったのか。開発した会社に聞いてみると…

ZERO 株式会社 冨塚 由希乃さん:
普段は目にしない食品ロスですが、多くの人に身近な形で食べてほしいと思った経緯があります。人件費やコストがかかってしまうと継続的に提供することが難しいけれども、無人販売機だと、コロナ禍の状況でも非対面や非接触、またキャッシュレスで販売し続けることができます

北海道内では札幌の『からくさホテル』と、函館のホテルの2か所だが、これからどんどん数を増やしていく予定だそうだ。

食品ロス削減の取り組みは道内の老舗企業も取り組んでいる。

もちを使った和菓子の老舗「一久大福堂」では、2022年7月に「訳あり大福」の冷凍自販機を設置した。

売られているのはチョコわらび餅や、イチゴクリーム大福など。購入すると、キンキンに冷えた冷凍状態の大福が出てくる。

形が悪く売り物にできなかった物や過剰在庫の大福などを詰め合わせ、鮮度が落ちないよう急速冷凍して販売している。

季節限定の栗大福は260円。かぼちゃの大福は206円だが、その大福が6つも入って500円に。これは、かなりお得だ。

もち処 一久大福堂 前田 千鶴 さん:
餅は1日限りなので、その日に余ったものはすべて処分するなど、かなり「食品ロス」が多かった。しかし冷凍することによって毎日50~60個という返品が半分以下に減りました。これまで商品が残るとすごく悲しい気持ちになっていたが、冷凍することによってロスが防げて、みな心が豊かになっています

利用者も、そして生産者も嬉しい「食品ロス削減自販機」。これからも、この様な取り組みがどんどん広がっていきそうだ。

北海道文化放送
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