8月14日、男性の登山客がクマに襲われた北海道オホーツク地方、斜里町の羅臼岳。

15日、1人遺体が発見された。

また、付近でクマ3頭が駆除された。

男性登山客がクマに襲われた羅臼岳

7月から相次いでクマが目撃されていた羅臼岳。

14日、20代の男性登山客がクマに襲われた。

7月14日に目撃されたクマ(提供:@ren_photo3417)
7月14日に目撃されたクマ(提供:@ren_photo3417)
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15日朝から行われた捜索。

午後1時30分ごろ、男性が襲われた現場付近に現れた親子グマ3頭をハンターが駆除した。

その後、山中で1人の遺体を発見した。

羅臼岳登山口(8月15日)
羅臼岳登山口(8月15日)

「こちらの病院に搬送され、その後死亡が確認されたということです」(川瀬雄也記者)

駆除した3頭が男性を襲ったクマかどうか、今後DNA鑑定が行われる。

被害男性が搬送された病院
被害男性が搬送された病院

羅臼岳は日本百名山にも数えられ、知床の手つかずの自然の中を歩くことができるとあって人気の山。

年間5000人ほどが訪れる。

男性は登山道を下山中に襲われた。

午前11時ごろ、一緒に登山していた友人が「助けて」という男性の声を聞き駆けつけると、クマに襲われている男性を発見した。

友人はスプレーを使って助けようとしたが、クマは男性をヤブに引きずり連れ去ったため警察に通報した。

襲われた現場の位置関係
襲われた現場の位置関係

当時登山中だった人たちはヘリコプターで救助された。

「みなさん混乱されていました。登山道が閉鎖されて私たちはどうしたらいいか分からなくて」(当時登山中だった人)

当時登山中だった人
当時登山中だった人

最近の羅臼岳周辺の実情は?

羅臼岳周辺では、7月から、たびたび異常な行動をするクマが目撃され、関係者の中では不安が広がっていた。

知床の自然を撮り発信している小林さんは。

「親子のヒグマが確認されているという実情がSNSで投稿されていた。登山道周辺でクマが7月下旬から見られるような割合が増えていたのは如実だった」(自然文化団体ノノオト 小林誠さん)

自然文化団体ノノオト 小林 誠さん
自然文化団体ノノオト 小林 誠さん

8月4日には、今回の登山道の入口付近で親子3頭のクマが出没。

車と遭遇しても逃げずに、逆にバックする車に近寄ってきている。

そして、12日には、クマが登山者に異常接近し、クマスプレーをかけたものの数分間付きまとわれる事例も。

同じく12日、小林さんの仲間が遭遇したヒグマにも違和感があったという。

「スマホで撮れる距離で長時間居座っていた。人が動いたり音を立てても逃げるそぶりがなく、ずっとうろちょろ。更に登山道に寄ってくるようなしぐさも」(小林さん)

8月にはクマの目撃が相次いでいた
8月にはクマの目撃が相次いでいた

羅臼岳登山道の周辺にはヒグマ注意報が発表され、登山道や知床五湖など国立公園の一部の利用が制限されている。

斜里町は、周辺の山林に絶対に立ち入らないよう注意を呼び掛けている。

登山道周辺にはヒグマ注意報が発表
登山道周辺にはヒグマ注意報が発表

クマ襲撃時の詳細

20代男性がクマに襲われた知床半島の羅臼岳。

3つの登山道があり、今回、男性は斜里町側からの登山道を利用。

14日、下山中の20代男性がクマに襲われた。

両太ももから大量出血、クマに引っぱられていった。

一緒に登山をしていた友人が通報。

約70人の登山者が、ヘリで救助されたが、クマに襲われた男性の発見には至らなかった。

そして、15日は警察やハンターら18人態勢で入山。男性が襲われた付近で、午前9時半過ぎ、被害男性の財布や血痕のついたシャツなど所持品が見つかった。

午後1時ごろ、その付近で親子クマ3頭を発見。4発発砲し、親グマを駆除。

子グマ2頭は逃走したが、再び戻ってきて、午後1時半ごろに子グマ2頭も駆除。

その後、午後3時過ぎ、親グマを駆除した付近で、遺体を発見した。

20代男性がクマに襲われた知床半島の羅臼岳
20代男性がクマに襲われた知床半島の羅臼岳

男性が襲われた羅臼岳の登山道付近では、異常なクマが7月下旬ごろから目撃されていた。

登山道入り口付近では、4日に親子グマ3頭が車に近づく様子も。
 
12日には、登山者が至近距離でクマに遭遇。クマスプレーをしても数分間付きまとわれた事案があった。

羅臼岳の登山道付近では7月下旬ごろから目撃相次ぐ
羅臼岳の登山道付近では7月下旬ごろから目撃相次ぐ
北海道文化放送
北海道文化放送

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