落ちたり傷がついたりして、出荷できなくなった「規格外」のリンゴ。こうした捨てられようとしている果物を有効活用して、新たな商品開発を進めている男性が福島県にいる。原発事故による風評を払拭し、くだもの王国福島の魅力発信に取り組む一人の男性を取材した。

規格外の果物で新商品

11月福島市の福島県観光物産館で開かれた「あぶくまフェア」
福島県の中央部を縦断する阿武隈高原地域の特産品を集めた物産展だ。入口の最も目立つ売り場で販売されていたのが、ドライフルーツハーブティ。

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TEA&THINGS・大島草太さん:ついにここまでようやく出来たかなと思ってまして。いい商品が今回出来たかなと思うんで、是非、今日は沢山の方に味わって頂きたいなと思っています。

福島県田村市の大島草太さんが、福島県の果物に対する思いを込めて高校生や大学生と開発した商品だ。

大島草太さん
大島草太さん

11月8日、大島さん達は福島県葛尾村のリンゴ畑を訪れた。

大島草太さん:割と落ちてる。
大学生:めっちゃ落ちてますね。
大島草太さん:本当に傷すらないくらいの全然まだ綺麗ですし、このくらいあっても全然使えるんで、僕らは使わせて頂きます。

規格外のリンゴを活用
規格外のリンゴを活用

収穫していたのは、落ちてしまったり傷がついてしまったりしたいわゆる「規格外」のリンゴ。捨てられてしまうこれらのリンゴを農家から買い取る。

果樹農家・松本淳一さん:付加価値を付けて、そういう利用が出来るって部分が大変感心致しまして。

フードロスを減らしつつ”魅力”発信

大島さん達はフードロスを減らしつつ、福島県が誇る果物の魅力を発信しようと商品開発に取り組んでいる。

TEA&THINGS・大島草太さん:地域の使われていない資源、だけどやっぱり福島ってフルーツ王国って言われているって事もあり、この福島の魅力が伝わるような取り組みをこれから更に広げていきたいなと思っています。

リンゴをスライスして乾燥させ、耕作放棄地で栽培したハーブなどと混ぜてハーブティーに仕上げる。

スライスしたリンゴを乾燥させてハーブティーに
スライスしたリンゴを乾燥させてハーブティーに

大学生:美味いねフフフ
大島草太さん:どうですか?
大学生:リンゴ美味しいと思いますね

リンゴハーブティーを試飲
リンゴハーブティーを試飲

留学先で突き付けられた「現実」

試行錯誤を重ね、リンゴの他、モモやイチゴなど4種類を商品化した。栃木県出身の大島さんは、福島大学を卒業した後、田村市都路町に移住。キッチンカーで地元のそば粉を使ったワッフルを販売している。大学生の時に留学したカナダでの、ある経験をきっかけに、地元の食材にこだわるようになった。

TEA&THINGS・大島草太さん:まあ一部の方が、こう自分が福島から来たっていうのを、凄いマイナスにとらえて、自分が汚いくらいの対応をされてしまったような事がありまして。

東京電力福島第一原子力発電所
東京電力福島第一原子力発電所

原発事故が起きた福島県。復興は進んでいても、世界の多くの人には福島の現状が知られていないという現実を突き付けられた。悔しさを感じたのと同時に、福島県に対する思いが強くなったという。

TEA&THINGS・大島草太さん:(福島は)素晴らしい地域だというのを、もっと知ってもらいたいなっていう、何か結構、反骨精神という所から、まあ教員に行く道を辞めて、こう事業をやらしてもらっているような所があります。

大島草太さん
大島草太さん

挑戦は続く

大島さんが高校生や大学生と作り上げたドライフルーツハーブティー。出店したフェアで次々と売れていく。

男性の購入者:すっきりとした甘みで、非常に飲みやすくて。食料ロスですね、そこら辺を無くすという取り組みは非常にいい取り組みかと思いますので、今後もちょっと機会があれば、購入させて頂ければ。

女性の購入者:地元の物をっていう作り手の(思い)凄く感動しました。美味しかったです。

購入した人
購入した人

フェアで用意した商品は完売、大島さんは手応えを感じていた。

TEA&THINGS・大島草太さん:福島の魅力として、どんどん広がっていって、まあ日本中であったり、更に海外の人が手に取って、福島って今、こういう事をやってるんだ、面白い地域になってるねみたいな風に思う方が、一人でも増えてくれればいいかなと思います。

大島さんの挑戦は続く
大島さんの挑戦は続く

福島県が誇る果物を、無駄なく活用して、ふくしまの魅力を国の内外に広げる。大島さんの挑戦はこれからも続く。

(福島テレビ)